それが証拠に、通常国会の事実上の会期末となった7月20日に参院本会議場で垂れ幕を掲げるという前代未聞の懲罰事犯に及んだ山本太郎、森ゆうこ、糸数慶子の3参院議員について、伊達忠一参院議長はその場で懲罰委員会に付託することを決めたが、懲罰委員会の溝手顕正委員長(自民党)は、あっさりと懲罰委員会を開会しないことを決め、22日の会期終了をもって審査未了となった。3議員の懲罰事犯は、なんと3日で不問に付されることとなったのである。

 2月5日の衆院予算委員会で国民民主党の玉木雄一郎代表や自民党の石破茂元地方創生相の疑惑を取り上げたことなどを理由に、私は5カ月以上にわたって懲罰動議に晒(さら)された。党の不当処分と戦わざるを得なくなった私自身の処遇と比較するわけではないが、今の国会では、かつての55年体制の亡霊が完全に息を吹き返し、「なんでもありの野党」と「ひたすら我慢の与党」とが繰り広げる猿芝居が復活してしまったのだ。
日本維新の会の足立康史衆院議員
日本維新の会の足立康史衆院議員
 こうした新「55年体制」の下では、与党(与党に連なるだけの国政維新を含む)の行動原理は、自民党国対の指導の下、「ひたすら我慢」=「事なかれ主義」が徹底されることとなる。

 官僚たちは、国会審議で野党の追及の対象となるような材料を提供することがないよう、ひたすら保身に走り、与党議員たちも、失言をしないように、表ではできるだけ発言を控えるようになる。そして、少しでも野党の不興を買うような発言をした場合は、与党国対の指導の下、その内容にかかわらず、即刻、撤回と謝罪に追い込まれるのである。

 こうした猿芝居に興じるだけの「非生産的」な国会にあって、政権与党自民党と競い合えるような力のある野党が育つはずがない。枝野幸男代表率いる立憲民主党も、かつての社会党がそうであったように、野党第一党の座に完全に満足しているように見える。

 昨年までは、選挙のたびに、まるで「食中毒を起こしたレストラン」のように看板を掛けかえ合従連衡を繰り返してきた旧民主系の国会議員らであったが、今や野党再編を仕掛けるエネルギーさえ失っている。

 安倍政権は、経済と外交そして憲法に係る実績と、二度と悪夢を繰り返さないという霞が関の誓いと、そして見せ場を与えられて満足する野党によって、これからも高い支持率を維持するのである。