高齢単独世帯が増え、経済的負担から新聞をとらなくなった側面もあるとはいえ、「新聞離れ」を牽引(けんいん)しているのは若者である。

 総務省の平成29年版情報通信白書で、2016年のメディア利用行為者率を見ると、平日に新聞を読んでいるのは全体で28・5%。50歳代で41%、60歳代で55・4%だが、20歳代ではわずか6・7%、30歳代で18・2%だ。20歳代では、ネットが96%、テレビでも70・3%だから、いかに新聞が若者からそっぽを向かれているかが分かる。

 同時に「10歳代から30歳代で自民党支持が高い」ことも、各種世論調査で指摘されている。ここでは、産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が月1回程度実施している合同世論調査のデータで、自民党支持層の比率の変化を「20歳代・30歳代(2016年4月以降は18、19歳を含む)」の「青年層」、「40歳代・50歳代」の「中年層」、「60歳以上」の「高年層」に分けて見てみよう。

 2012年12月の自民党の政権復帰後、全世代で自民支持率は上昇しているものの、「青年層」の支持率が「高年層」のそれを上回るときも見られるようになったのである。保守的で安定を求める「高年層」が自民党を支持し、変化を志向する「青年層」が野党を支持という構図は崩れ、「若者の保守化」と言われる現象が起きている。

 政党支持には「思春期仮説」が有効だとも言われている。つまり、若い時代に支持した政党を一定程度引きずっていくということで、全共闘世代で政権批判的傾向が一定の割合でみられるのは、「思春期仮説」の証左ともいわれている。そうすると、若い世代で自民党支持の比率が高いということは、これからも自民党を支持する人たちが一定の比率で40歳代、50歳代になっていくという可能性はある。

総裁選出馬を目指す野田総務相のお膝元、
自民党岐阜県連会長代行の猫田孝県議(左)は
安倍首相の支持を表明した=2018年7月24日
 2018年7月の最新合同世論調査では、安倍晋三首相の政権運営を「評価する」と回答したのが10~20代で、男性が73・2%、女性が61・2%と年代別で最も高く、「アベノミクス」を背景に雇用改善や景気回復が進んでいけば、青年層の政権支持も継続していくだろう。

 一方で、政権運営を「評価する」と答えた60代以上は男性が40・7%、女性が37・7%にとどまった。経済政策が若者の雇用に好影響をもたらし、自民党支持に結びつくことはあっても、「新聞を読まない」=「自民党支持」と結論づけるのはいくらなんでも乱暴に過ぎよう。

 もっとも新聞報道も、いわゆる慰安婦問題のような「誤報」を垂れ流し、訂正もせずに国際社会における日本の立場を損なったままにしてきた面があったことは否めない。そのような報道のあり方に対する不信が、若者の新聞離れを加速させた部分があると言える。だとすれば、新聞などの既存メディアは「信用できないメディアだ」という意識と、新聞の「反安倍ありき」報道のうさん臭さの意識がどこかで結びついているのかもしれない。