若い騎手は言う。

 「面白いじゃないですか、的場さん。いじられキャラなんですかね。だからSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)でも的場さんのこと書いちゃうんですよ。優しいんですよね、すごく。そういうことは怒らない」

 若手騎手の中には、的場騎手のネタを頻繁にSNSに投稿し、好評を得ている者もいる。

 馬の上では無駄な動きをしないほうがいいに決まっている。競馬のレースでは、馬の背中にピッタリ寄り添うように姿勢を低くして騎乗するのがキレイなフォームと一般に言われる。

 的場文男騎手の騎乗フォームは、極めて特徴的だ。ゴール直前の攻防では、馬から大きく伸びあがるような動きでダイナミックに追ってくる。その踊るような動きは、「的場ダンス」などと呼ばれることもある。

 決してほめられた騎乗フォームではなく、的場騎手自身も、

的場文男騎手=2017年5月、大井競馬場(佐藤雄彦撮影)
 「自分も若いころはキレイなフォームで、馬にピタッとくっついて乗ってたんですけどね。年をとって力が落ちてきてからは、馬を動かそうとするとどうしても身体が大きく動いてしまう。それで出てきたのが『ダンス』なんですけど」と語り、やむを得ずしている騎乗法だと証言している。

 この『ダンス』は、余人にマネのできないモノである。また、若い騎手などは決してマネしてはいけないものでもあるだろう。ただし、的場騎手がこの騎乗法で勝ち星を量産していることは、まぎれもない事実である。

 的場騎手の代名詞ともなっている『ダンス』は、しばしばネタとして取り上げられる。