それにしても、このところスポーツ界で団体トップの不祥事が相次ぐのはなぜだろうか。筆者はその原因に「手弁当」の裏にあるもう一つの姿を見る。

 2年後の2020年、東京に五輪がやってくる。半世紀に一度あるかないかの特別な機会である。

 自分が愛するスポーツのために「手弁当」でここまでやってきたのだから、このような希少な機会、自国開催の五輪のときは何が何でも輝きたい。これまで「忍の一字」だった競技関係者たちも、現体制に安住していてはダメだと考え、より高みを目指すためには何らかの「改革」が必要と痛感したのだろう。

 むろんスポーツの世界においても、「改革」は重要である。しかし、もっと厳しく見極めなければならないのは、今回のボクシング連盟の問題には「お家騒動」に似た事情も見え隠れする。

 たとえ現体制を覆しても、新しいトップは正しい方向へ本当に導くことができるのか。それを見極める必要がある。「再興する」というのならば、挙げられた問題を解消するだけではなく、ボクシングを五輪競技として根本的に成り立たせる手腕も求められる。だが、それには相当な労力とリーダーシップが必要だろう。

2018年8月7日、日本ボクシング連盟の
緊急理事会を終え、取材に応じる山根明会長
 なぜなら、IOCはボクシングを五輪種目から除外することも検討しているからだ。五輪が最高の「スポーツの祭典」であるためには、トップアスリートが集まる必要がある。

 IOCのサマランチ元会長がバルセロナ五輪で、NBAのプロ選手で構成された「ドリームチーム」を実現させたのもそのためである。一方、ボクシングはアマチュアとプロに別れ、さらにプロの中に複数の統括団体がある。ボクシング関係者が考えなければならないことは、プロ・アマ団体の統合という重い任務であることは言うまでもない。

 山根氏が会長職の辞任を表明した今、「再興する会」がその後に誰をトップとして、どのような改革を進めるのか。それを凝視することが重要不可欠である。