吉良佳子(参議院議員)

 「私はゲイだ! それがどうした! This is Pride!」

 7月27日、自民党本部前で行われた杉田水脈衆院議員の「差別発言」への抗議集会のスピーチの中で、私が一番心打たれた言葉です。そして、私はこの言葉に励まされました。なぜなら、私にはこれが「私は私だ。それこそが私の誇り(Pride)だ!」という宣言に聞こえたからです。

 そもそも「自分が自分である」、ただそれだけで、それを誇りだと胸を張って言える人はどのくらいいるのでしょう。私自身、人に誇れる自分らしさとは何なのか、しょっちゅう考えてしまいます。

 女性で、子を持つ母親で、国会議員で…私を表す記号はたくさんある。でも、その記号だけで「私らしさ」は表せない。むしろ「期待に応えられているか」「その役割を果たせているか」…その記号に付随する悩みは山ほどあります。

 こんな風に「自分らしさ」を探しながら、「社会に、みんなに、認められたい」と思い悩み、苦しむ。誰だってそんな経験はあるはずです。とりわけ、LGBTの場合、その苦しみに直面し続けているのではないでしょうか。

 「同性に興味があると確信したのは、中学3年生の時。同性に興味があるのは世界で自分1人だけだと思い、とても孤独で苦しかったです。20歳の誕生日を迎えたとき、その気持ちが破裂し、母親にカミングアウトをする決意をしました。誰よりも一番理解してくれると思っていた母親に言われた言葉『私の育て方が間違っていたのかな』。一番聞きたくなかった言葉を耳にしたときに、自分の中の何かが弾け、涙が止まらなかったのを覚えています」

 ゲイの友人が手紙を書いてくれました。

 LGBTに関する法整備を求める市民団体「LGBT法連合会」は「性的指向および性自認を理由とするわたしたちが社会で直面する困難のリスト」として、264項目を例示しています。例えば「性別への違和感について、教員や同級生が笑いのネタにした」「カミングアウトをしたところ、家族の中で無視をされたり、死んだ者として扱われたりした」「性的指向や性自認を理由に、解雇や内定取り消し、辞職を強要された」「レズビアンとカミングアウトしたら『治してやる』などといってレイプされた」など。
2018年7月、東京・永田町の自民党本部前で杉田水脈議員に抗議する人たち
2018年7月、東京・永田町の自民党本部前で杉田水脈議員に抗議する人たち
 とてもじゃないけれど、これでは「自分が自分であること」そのものを誇れる状況とはいえません。どんな性的指向であれ、性自認であれ、それ自体がかけがえのない「あなたらしさ」。尊重されるべき人権です。

 その、一番大事な「自分らしさ」を否定され続けることが、どれだけ苦しいか。ゲイやバイセクシャルなどの性的マイノリティーの男性が、異性愛者の男性と比べて自殺を図るリスクが約6倍に上るという調査まであります。この深刻な事態は決して「笑って話す」ようなことではありません。