2018年08月17日 12:43 公開

米ニューヨーク大学医学部は、現役と未来の学生全員について授業料を免除する奨学金を提供すると発表した。医学部生が「膨大な」借金を抱える可能性があるためとしている。

この奨学金は毎年最大5万5000ドル(約610万円)の授業料をカバーし、学生本人の活動評価や財政状況に関わらず全ての学生に受給資格がある。

同大学は、卒業生は金銭的な不安からより収入の多い専門を選ぶ傾向にあり、医師を一般的な職務から遠ざけていると説明した。

米医科大学協会の調査によると、2017年には医学部を卒業した学生の75%が借金を抱えており、借金の平均額は19万ドル(約2100万円)だった。

ニューヨーク大学は10年以上にわたってこの奨学金の運用資金を集めていたと報じられており、制度の恒久化のため計6億ドルを集めたい方針だ。

対象となった医学生はなお、生活費や住居費を捻出する必要がある。

「借金はヘルスケア業界に悪影響」

ニューヨーク大学は16日、新入生が医師としての勉強を始める白衣授与式でこの発表を行った。

同大学は声明で、借金は「ヘルスケア業界に悪影響を与える形で、医師という職業を根本的に変えてしまっている」と述べた。

卒業生らは「驚くべき額の学生時代のローン」のために、小児科や婦人科、初期診療といった高給の分野に専門を移す傾向にあるという。

ロバート・グロスマン医師は、「膨大な金銭的負担のせいで、有能な内科医や外科医がキャリアを積み重ねられないことがあってはならない」と話した。

ニューヨーク大学は、2500人以上の支援者がこの奨学金を可能にしたと謝意を述べている。

また現在、米国でこのような支援を提供している医科大学は上位10校だけだという。

(英語記事 Free tuition for all NYU medical students