自動車の普及率が低い時代に、一般財源で高速道路を作れば、一部の富裕層を優遇する税金の支出との批判を浴びたであろう。だから、自動車を使う人が払うガソリン税で、彼らの便益になる道路整備を行うというわけである。

 しかし、自動車普及率が急上昇するに従って、ガソリン税収入は激増し、無用な道路をやたらに作る弊害が生まれ、もはや道路財源を一般財源化したらどうかとの議論が生まれた。

 同様に、テレビ普及率の急上昇によって、NHKには努力無しで流れ込む受信料収入が激増し、法外な人件費支出と職員の犯罪頻発という組織的弛緩(しかん)を誘発している。テレビ設備の拡充・革新費を一般財源化しても、受益者負担の原則に反しないのは、道路財源を一般化しても不公平が生じないのと同じである。

 私は現在、大学教授の傍らメディア報道研究政策センターなる一般社団法人の理事長を務め、NHK受信料不払い運動の先頭に立っている。私自身の経験も含めて、1000余人の会員から寄せられるさまざまな情報によると、NHKの恫喝(どうかつ)・甘言・詐欺まがいの嘘、認知症の独居老人や老人ホームを狙い撃ちする契約詐欺など、受信料取り立てに係る彼らの執念には並々ならぬものがある。

 まず彼らに放送法4条違反に関する弁明を求めること、先の最高裁判決の真実を告げること、そして何よりも組織的対応をもって法廷闘争を辞さない構えを具備すること、これがNHKに対抗する要点である。
NHKの上田良一会長(左)に答申を手渡す受信料制度等検討委員会座長の安藤英義・専修大教授=2017年7月25日、東京都渋谷区のNHK放送センター(伴龍二撮影)
NHKの上田良一会長(左)に答申を手渡す受信料制度等検討委員会座長の安藤英義・専修大教授=2017年7月25日、東京都渋谷区(伴龍二撮影)
 さらに今日、近い将来インターネット配信にも受信料が課されると危惧されている。これに対しては、NHKが技術的にやればすぐにでもできるスクランブル放送を実施し、受信料不払い者には映らないサービスを提供するよう、要求を強めていく必要がある。

 スマホなどからの強制徴収が実現すれば、天文学的な数字になるNHKの受信料収入。しかし私は、この桁外れな彼らの強欲こそ、「見たくない人は払わない、払わないから映らない」という、当たり前の市場原理と消費者主権を実現する、契機となるに違いないと考えている。