2018年08月23日 13:02 公開

ドナルド・トランプ米大統領の元顧問弁護士マイケル・コーエン被告が、2016年の米大統領選にロシアが介入した疑惑をめぐる捜査に「喜んで」協力するもようだ。

コーエン被告は、この大統領選中にトランプ氏と性的関係を持った女性2人に口止め料を払ったとして、選挙法違反の罪に問われている。21日の公判では、銀行詐欺や税金詐欺など8件全ての罪について有罪を認めた。

コーエン被告の弁護を務めるラニー・デイビス弁護士は、被告が「ドナルド・トランプ氏について知っている全てを話す」用意があると述べた。

一方でトランプ大統領は、コーエン被告が司法取引をするために話をでっち上げたと話した。トランプ氏は一貫して、ロシアとの共謀を否定している。

米FOXテレビの番組「フォックス・アンド・フレンズ」のインタビューで、トランプ大統領は口止め料の支払いを「後から」知り、選挙資金からは支払っていないと語った。

コーエン被告は7月、選挙の2カ月前にプレイボーイ誌の元モデル、キャレン・マクドゥーガル氏の体験談の買収をめぐってトランプ氏と交わした会話の録音テープを公開している。

<関連記事>

コーエン被告は10年以上トランプ氏の個人弁護士を務めていた。

21日の罪状認否では、、「大統領候補者」の指示で「選挙結果に影響を与えるため」に、女性2人に口止め料支払いをしたと述べ、トランプ氏を事実上名指しした。

コーエン被告は司法取引に応じており、これによって禁錮刑が65年から5年3カ月に減刑となる可能性がある。

米メディアによると、検察はコーエン被告に、トランプ財団をめぐる別の案件についても出廷を要求しているという。

この日には、トランプ陣営の選挙対策本部長を一時期務めたポール・マナフォート被告(69)の裁判も行われ、起訴された18の罪状のうち8つについて有罪の評決が下された。

ロシア疑惑をめぐるロバート・ムラー特別検察官による捜査をきっかけにした、初めての刑事裁判だったが、起訴された罪状は全てロシアとの共謀疑惑とは関連がない。

ロシアは介入を否定している。

トランプ大統領の反応は?

トランプ大統領は一連の裁判を受け、コーエン被告をこき下ろした一方、マナフォート被告を絶賛した。

トランプ氏はツイッターで、「ポール・マナフォートと素晴らしい家族にとても申し訳なく思う。『司法』は12年前の税金問題やほかの事を持ち出し、彼にとてつもない圧力を与えた。でも彼はマイケル・コーエンのように『折れて』、『取引』のために話をでっち上げたりしなかった。勇敢な男に尊敬を!」と述べた。

https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1032256443985084417


記者会見では、「ポール・マナフォートはいい男だ」と述べた上で、「私には関係ない」と強調している。

別のツイートでは、コーエン被告は「2件の選挙法違反で有罪を認めたが、あれは犯罪ではない」と述べた。

FOXとのインタビューでトランプ大統領は、口止め料について「選挙資金からではなく私が出した。そしてそれをツイートした」と話し、これが選挙法違反ではないと主張した。

ホワイトハウスのサラ・サンダース報道官は、トランプ氏は「何も悪いことはしていない。罪に問われることはない」としている。

コーエン被告は何を知っている? ムラー特別検察官と話すのか?

コーエン被告がロシア疑惑についてムラー特別検察官の聴取に応じるかは決まっていない。

しかしデイビス弁護士は、コーエン被告が「喜んで」話すと言っており、トランプ氏が対立候補だったヒラリー・クリントン氏陣営のメールがハッキングされることを事前に知っていたかどうかについての情報持っていると話した。

さらに、2016年6月にトランプ陣営の側近とロシアの代表団がニューヨークのトランプ・タワ-で会見し、政治「スキャンダル」を約束したことについても、情報を持っているという。

この会談にはトランプ氏の息子のドナルド・トランプ・ジュニア氏が出席し、クリントン氏を「有罪にできる公的書類と情報」を提供されたとみられている。

米国の選挙法では、米国民が外国人から選挙に関する資金やその他の支援を受けることは違法だが、この情報提供が違反となるかどうかは法律専門家の間でも意見が分かれている。

トランプ大統領は、この会見を事前に知らなかったと主張している。

しかし米メディアによると、コーエン被告はトランプ氏がこの会談を事前に知っており、ロシア疑惑捜査で、このことについて証言する意思があると語っているという。

トランプ大統領は起訴されるのか?

トランプ大統領は当初、口止め料の支払いを否定していたものの、5月には口止め料をコーエン被告に払い戻したことを認めた。

しかし、トランプ氏の法律顧問のルディ・ジュリアーニ氏は記者に対し、「コーエン被告が問われている罪状に大統領の不正を示すものはない」と主張している。

また法律専門家は、トランプ氏が大統領職にある限りは刑事事件では起訴されないだろうと指摘している。

合衆国憲法では、「重大犯罪と不品行」を理由に議会が大統領を罷免できる。しかしその為には、野党・民主党が上下院で過半数を占める必要がある。

11月の中間選挙で民主党が躍進したとしても、この件に関して共和党からの造反者が必要になるのはほぼ確実だ。

過去に、弾劾手続きによって罷免された米大統領はいない。

(英語記事 Trump ex-lawyer 'happy' to aid Russia probe