2018年08月27日 15:46 公開

米国を代表する劇作家の1人、ニール・サイモンさんが26日、地元マンハッタンで肺炎の合併症のため亡くなった。91歳だった。1960年代や1970年代に発表した数々のコメディ作品は、その多くが映画化されヒットした。作品の多くはテレビでリメイクされたり、今も繰り返し舞台で再演されている。

サイモンさんの代理人によると、ニューヨークの病院で家族に囲まれて息を引き取った。

サイモンさんは「おかしな2人」や「裸足で散歩」などで人気作家となり、1991年には「ヨンカーズ物語」でピュリツァー賞を獲得した。

「裸足に散歩」のブロードウェイ初演で主役を演じ、映画化された際にも同じ役を務めたロバート・レッドフォードさんはかつて、サイモンさんについて「シェイクスピア以来の人気劇作家だという意見もある」と話したことがある。

サイモンさんは多作な作家で、長年にわたり毎年少なくとも1本の新作を発表し続けた。「カリフォルニア・スイート」、「スイート・チャリティー」、「サンシャイン・ボーイズ」、「グッバイガール」、「プロミセス・プロミセス」(映画「アパートの鍵貸します」の原作戯曲)など、代表作を多数残した。

ミュージカル・スターのエレイン・ペイジさんは、「ニール・サイモン、安らかに。『スイート・チャリティ』や『プロミセス・プロミセス』の劇作・作詞でピュリツァー賞を受賞し、ミュージカル『リトル・ミー』の戯曲を書いた人。本当にブロードウェイ・コメディの王様だった」とツイートで悼んだ。

https://twitter.com/elaine_paige/status/1033748149406449665


俳優のジョシュ・ギャッドさんは、「自分の人生とキャリアに特に影響した1人がたぶんニール・サイモンだと言ったら、あまりに言葉が足りない。作品に参加した人間として、そして作品の観客として、彼の作品は僕の歩いてきた道とキャリアの方向性を決定して、形作ってくれた。またしても伝説が失われた。安らかに」とツイートした。

https://twitter.com/joshgad/status/1033743595432554496


米芸能誌「バラエティ」は、「1960年代を皮切りに、サイモン作品はブロードウェイで確実に前売りがよく売れた。そういう作家はめったにいない」と書いた。

米紙ニューヨーク・タイムズは、サイモンさんの名前は「何十年にもわたって、ブロードウェイ・コメディと同義で、演劇の商業的成功と同義だった」と書いた。

後年の作品は前ほど幅広い人気を得られなかったが、テレビ・シリーズにもなった「おかしな2人」や、テレビ映画になった「サンシャイン・ボーイズ」や「プラザ・スイート」はリメイクされて、新しい世代のファンを獲得した。

ニール・サイモンとは

1927年7月4日、米国の独立記念日にニューヨーク・ブロンクス地区で、服飾セールスマンの父アービング・サイモンさんと母メイミーさんの間に生まれた。

ユダヤ系の子供としてニューヨークで生まれ育った経験は、その作品に繰り返し登場した。また、多くの作品の心理的背景は、両親が不仲で激しく争うことの多かった辛い幼少体験がもとになっている可能性がある。

1940年代にラジオやテレビ用の脚本を書いた後、ブロードウェイの舞台や映画に創作の場を移した。

1965年には「おかしな2人」でトニー賞の最優秀劇作家賞を受賞するなど、多数の賞を獲得した。

米誌ライフの取材に対して、「子供の頃、石の塀に登ってチャーリー・チャップリン映画の屋外上映を眺めたことがある」とかつて話した。

「大笑いしすぎて塀から落ちて、頭をかち割ってしまって、医者に運ばれた。流血しているのに、まだ笑いながら。(中略)観客全員が笑いすぎて床に倒れこんで、床でもがくほど笑って、ついには気絶しちゃう人もいる――そんな状態が、僕がコメディで究極的に目指していることだ」

(英語記事 Neil Simon: Celebrated US playwright dies aged 91