2018年08月28日 11:43 公開

ジョン・マケイン米上院議員の死亡後、ホワイトハウスが国旗を追悼の半旗にする、しないが問題になっている。死後わずか2日後の27日には通常の高さに戻して批判された後、ドナルド・トランプ大統領は同日、旗を半旗に戻すと発表した。

25日に脳腫瘍のため81歳で死去したマケイン議員は、海軍将校、戦争捕虜を経て連邦議会で35年間の議員生活を送り、共和党の大統領候補にもなった。そうした公職者が死去した場合、ホワイトハウスをはじめ連邦政府の建物に掲げられる国旗は少なくとも葬儀まで半旗になるのが通常だが、27日には一部の連邦政府庁舎で、星条旗が通常の高さで掲揚されていた。

連邦議会や、ワシントン市内の複数の記念碑の国旗は半旗のままだった。

トランプ氏は27日、星条旗について記者団が繰り返す質問には答えず、ただ半旗に戻すとだけ発表した。大統領は声明で、「政策や政治をめぐり食い違いはあったが、ジョン・マケイン上院議員がこの国に尽くしてきた業績を尊敬する。そしてその名誉のため、米国旗を埋葬の日まで半旗にするよう宣言に署名した」と述べた。

大統領の発表に先立ち、民主党のチャック・シューマー上院院内総務と共和党のミッチ・マコネル上院院内総務は、全ての政府庁舎は2日の埋葬まで半旗を続けるべきだと呼びかけた。また、今年4月に亡くなったバーバラ・ブッシュ元大統領夫人の際にそうしたように、国旗を半旗にすると大統領が宣言すべきだと大勢が、政権の対応を批判していた。

トランプ氏はさらに、1日にワシントン大聖堂で予定される追悼式には出席しないと確認した。声明によると、トランプ政権からはジョン・ケリー首席補佐官とジェイムズ・マティス国防長官などが出席する予定。

31日には連邦議会でマイク・ペンス副大統領が、マケイン氏の追悼式典で弔辞を読む予定。

ワシントン大聖堂での追悼式では、バラク・オバマ前大統領やジョージ・W・ブッシュ元大統領などが弔辞を読む予定となっている。

マケイン氏の遺体は、29日にアリゾナ州議会の議事堂内に安置された後、31日にはワシントンの連邦議会議事堂内に安置される。国民にとっては最後のお別れの機会となる。

ワシントン大聖堂の追悼式の後、2日にメリーランド州アナポリスの米海軍兵学校の聖堂で近親者に見送られ、埋葬される。

訃報を受けて、トランプ氏は遺族へのお悔やみはツイートしたものの、マケイン氏の業績を称える発言はしなかった。

両氏はこれまでしばしば対立を重ねてきた。マケイン氏は、トランプ氏の女性へのわいせつ発言やウラジーミル・プーチン露大統領の再選祝福など、その言動を繰り返し強く批判してきた。トランプ氏支持者を「いかれた連中」と呼んだこともある。トランプ政権が推進したオバマケア(医療保険改革)撤廃法案に反対し、成立を阻止したこともある。一方でトランプ氏は2015年にマケイン氏のことを「捕虜になったから英雄と呼ばれるが、自分は捕虜にならない人間のほうが好きだ」などと発言し、物議を醸した。

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「壁の後ろに隠れてはならない」

トランプ氏が国旗を半旗に戻すと発表する前、マケイン家と親しいリック・デイビス氏が、マケイン議員が病床でまとめた最後のメッセージを読み上げた。

その一部は、トランプ大統領の政策を批判するものと受け止められている。

マケイン氏は米国に「壁の後ろに隠れ」てはならないと呼びかけ、米国と米国民とは「血や土ではなく、理想で作られた国と国民だ」と強調した。

「自分たちの愛国心を、他集団との対立とごっちゃにすると、この国の偉大さを弱めてしまう。そうした対立は、世界各地で憎しみや鬱憤(うっぷん)や暴力の種をまいてきた」、「壁を打ち砕くのではなく、壁の後ろに隠れてしまうとき、我々はこの国の偉大さを弱めてしまう」と述べた。

マケイン氏はさらに、「現在の難しい状況に絶望しないように。米国の可能性、米国の偉大さを常に信じています」と国民に語りかけた。

(英語記事 John McCain death: Trump lowers White House flag after criticism