筧誠一郎(eスポーツコミュニケーションズ代表)

 多くの観客の前でコンピューターゲーム(PCゲーム)の対戦をする「eスポーツ」。欧米や中国、韓国などを中心に急激に人気が高まっており、将来的には五輪競技化も検討されています。最近になり、日本でも徐々に取り上げられることが多くなってきました。そんなeスポーツの現状と今後の可能性について論じたいと思います。
 
 「eスポーツ」とは、「エレクトロニック・スポーツ」の略で、PCゲームを使った電子上で行われる対戦競技のことをいいます。スポーツというと、日本人は「運動」「体育」と捉えがちですが、「スポーツ」という言葉には「競技」という意味もあり、一定のルールに則って行われる競技は、すべてスポーツとして定義されます。

 その大きな概念の下に、「フィジカルスポーツ」と「マインドスポーツ」というものがあります。フィジカルスポーツとは、肉体を動かして競い合うもの。多くの日本人がイメージするスポーツです。一方、マインドスポーツとは、主に思考能力を使って競技するもので、囲碁や将棋、チェスなどが代表的なものです。そうしたマインドスポーツの一つとして、eスポーツがあります。

 eスポーツは、「陸上競技」という言葉が持つ意味とニアリーイコールです。陸上競技は、陸上のグラウンド上で行われるさまざまな競技の総称です。100メートル走などの短距離走もあれば、棒高跳びなどの跳躍競技や、砲丸投げなどの投てき競技も含まれます。これと同様に、eスポーツにもシューティングゲームや陣取りゲーム、スポーツゲーム、格闘ゲーム、デジタルカードゲームなどのジャンルがあります。そうした電子上で対戦相手と競い合うゲームの総称を、eスポーツといいます。

 eスポーツの大会では多くの場合、選手は大勢の観客の前でステージに上がり、ゲーム機やパソコンを操作して対戦します。1対1で戦うものもあれば、チーム戦のものもあります。その対戦シーンは会場の大画面に映し出され、選手たちが披露する高度な技術に観客は興奮し、熱狂します。その様子は世界中にネット配信され、パソコンやスマートフォンで見ることができるのです。
英バーミンガムで開かれた「eスポーツ」の国際大会=2018年5月(ロイター=共同)
英バーミンガムで開かれた「eスポーツ」の国際大会=2018年5月(ロイター=共同)
 今、世界で最も流行しているeスポーツのジャンルは、チームを組んで相手の陣地を攻め落とすタイプのゲームです。例えば、「リーグ・オブ・レジェンド」というゲームは、競技人口が1億人以上といわれています。これは世界のテニスのプレーヤー数とほぼ同じ規模になります。