2018年09月03日 12:31 公開

英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)をめぐり、EUのミシェル・バルニエ首席交渉官は2日、英国が提示した離脱後の通商協定案に「強く」反対すると述べた。

テリーザ・メイ英首相はこの日、7月にロンドン北西にある首相公式別荘「チェッカーズ」で閣内合意に至った提案で妥協することはないと話していた。

しかしバルニエ氏は、モノだけにEUの共通ルールを適用し、サービスは除外する「共通のルールブック」案に興味はないと一蹴した。

バルニエ氏は過去にもこの案に批判的だったが、同氏に近い情報筋はBBCに対し、ここまで強い非難を表明したのは初めてだと話している。

これに対し英政府は、通商協定案は「正確かつ実用的」で、英国とEU双方で効果を上げるとしている。

英国とEUは10月までに交渉をまとめることで非公式に一致しているが、バルニエ氏はこれが11月半ばまで延びる可能性があると示唆した。

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2日付のドイツ紙フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥングに掲載されたインタビューでバルニエ氏は、メイ英首相の計画は「単一市場と欧州プロジェクトの終えんになるかもしれない」と話した。

「英国民には選択の余地がある。EU非加盟のノルウェーのように単一市場にとどまることもできる。しかしそれには、欧州の一致に向けたルールと貢献を受け継ぐ必要がある。決めるのは彼らだ」

「しかし英国民に我々のルールの良いとこ取りをさせてしまうと、深刻な影響が出る」

「他のあらゆるEU非加盟国が同じような利益を欲しがるだろう」

バルニエ氏はさらに、現在は多くのモノがサービスと付随して取引されていると指摘し、通商協定でこれを分離させるのは困難だと指摘した。

「我々はモノ、サービス、資本、人の統一市場を持っている。EU独自のエコシステムは何十年にもわたって育まれたものだ」

「その一部だけを取り出してもてあそぶことはできない。これが英国の提案に強く反対するもう一つの理由だ」

「全てのモノにはサービスがある。たとえば携帯電話は、その価値の2~4割がサービスから来ている」

この日、英紙サンデー・テレグラフへの寄稿でメイ英首相は、「良い協定」の締結に「自信」があると述べていた。

一方でメイ首相は、いくつかの産業で英・EU双方に「実際的な困難」を生むことになるとしても、英政府が合意なしのブレグジットに備えることは正しいとも話した。

ジェレミー・ハント英外相も先に、英国は合意のないままEUを離脱しても「生き延び繁栄するだろう」としながら、「欧州にとって大きな過ち」になるだろうと述べている。

合意なしのEU離脱については、さまざまな企業団体が警告を発している。

世界貿易機関(WTO)は「世界の終わりにはならないが(中略)容易なことにはならないだろう」との見解を示している。通商協定がまとまらなかった場合、英・EUはWTOの通商ルールに準拠する可能性が高い。

メイ政権は7月、チェッカーズでEUとの通商協定案を閣内合意したが、これに反発する格好でデイビッド・デイビスEU離脱担当相ボリス・ジョンソン外相が辞任した。

この提案では、EU域外から英国経由でEU加盟国に到達する輸入品にかかるEU関税を英国が徴収するとしているが、バルニエ氏はかねてこの案を採用することはないと批判していた。

英国は2019年3月29日にEUを離脱するが、EUとの最終的な関係について合意に至っていない。

(英語記事 EU 'strongly opposed' to PM's Brexit plan