7000円という料金自体がそもそも世界的にみて高すぎるわけだが、「iPhoneがタダで手に入る」と勘違いした消費者はあまり気にしない。そして本体代金9万6000円を2年間、24回分割ローンで月当たり4000円と基本料金7000円の合計1万1000円を支払い続けることになる。ソフトバンクは高い月料金で本体代金を回収しているわけだ。

 しかし、このままだとただのローンであり「実質無料」などという言葉を使えばただの詐欺になってしまう。ここからが巧妙なところだ。ソフトバンクはここから毎月本体代金4000円を「割引」する。この割引額は、ばらまいた機種によって異なり、大抵の場合は本体代金の24分の1である。ソフトバンクの場合はこの割引金額を「月月割」と称しているが、ドコモは「月々サポート」、auは「毎月割」と称して各社ほぼ同様の仕掛けを用意している。

 毎月この割引が行われるため、月の支払いは差し引き7000円のみとなる。これが日本独自と言って良い「実質無料」のワナだ。「ワナ」と言ったのには理由がある。もともとの7000円という月料金自体が高すぎるが、2年間バカ正直に使い続けるなら確かに本体代金「実質無料」と強弁できないことはない。しかし、本体が壊れたり紛失するなどして「2年縛り」の途中で解約した場合はどうなるか? あるいはもっと安い格安SIMにMNP(携帯電話番号ポータビリティー)で乗り換えたい時はどうなるのか? その場合、残りのローンを全額一括請求されてしまうのだ。
先行販売が始まったiPhone3Gを求め、ソフトバンク表参道に入る人たち=2008年7月 11日、東京・表参道
先行販売が始まったiPhone3Gを求め、ソフトバンク表参道に入る人たち=2008年7月 11日、東京・表参道
 例の場合、1年で解約すると4万8000円が一括請求される。そればかりか、「違約金」として約1万円まで支払わなければならないのだ。繰り返すが、こんな異様な料金体系がのさばっているのは世界でほぼ日本のみと言っていい。民主党政権が崩壊し自民党政権となってから、このような歪んだシステムを是正しようとする動きが見え始めてきているが、まだまだ不十分である。

 さて、歪んだ制度のあるところには、必ずそれを出し抜いて儲けるヤツが出てくる。冒頭で「私は毎月の携帯料金を安く上げているばかりか、なんと稼いでさえいる」と書いたが、こんなことは日本以外の諸外国では不可能である。