さて、この異様な仕組みをうまく利用するとどうなるか。先ほど、「秋葉原等のスマホ買い取り店に行けばiPhoneXは10万円で買い取ってもらえる」と言いましたね。そういうことです。そうやって儲けている輩はたくさんいる。別のところでも書いたことがあるが、月に2、3日「そういうこと」をするだけで、年間100〜200万円が誰にでも稼げるのだ。これは大人だけでなく子供にでもできるのである。つまり4人家族なら、それだけで年間500万円ほどを稼げてしまう計算になる。

 実際そうやって稼いで気楽に生きるために、日本に入国する中国人は多いらしい。私はそういう「稼ぎ方」を「MNP携帯乞食」と呼んでいるが、それを支えているのは何も知らずに毎月高額な料金を「実質0円」という餌に釣られ、生真面目に支払い続けている消費者である。

 この日本独特の歪んだ携帯電話料金体系のせいで、中国人らの大量入国以上に私が危惧していることがある。これは他のメディア関係者等にも何度も警告してきたことなのだが、取り上げられたのは今回が初めてである。それは「少年犯罪」をはじめとする子供への悪影響だ。

 繰り返すように、この「稼ぎ」は外国人や我々大人だけでなく、みなさんのお子さんでも簡単にできてしまうのである。メディアが報じていないだけで、親の知らないうちに子供が何十万、何百万もの出どころのわからない金を貯めこんでいる、などということが日本各地で既に起きているという。
※この画像はイメージです(GettyImages)
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 私は子供のころは小遣いに苦労し大学進学も奨学金と学資ローンに頼らざるを得ない貧乏人だったので、子供が稼ぐことができるようになった状況自体は反対するつもりはないのだが、現状ではその過程において、極端な場合には例えば親の「同意書」を偽造するなど、子供が犯罪に手を染める要因が多すぎる。また、そうした大金を稼ぐためにクラスメートや後輩等を脅して組織し、契約させピンハネするなどという事件も既に起きているだろうし、そこには暴力団等の反社会勢力も食い込んでいることだろう。

 以上のことから、菅官房長官による携帯電話料金「4割程度下げる余地ある」発言には賛同せざるを得ない。それは単に携帯電話会社による「ぼったくり」を是正するということ以上の意味が実はあるのだ。民主党政権時代に定着した携帯電話会社の異様な体質が、気付かないところで日本社会を大いに侵食しているのである。