2018年09月06日 16:25 公開

米中間選挙の民主党候補を決める予備選が4日、マサチューセッツ州で行われ、アヤンナ・プレスリー氏(44)が勝利した。これにより、同州初のアフリカ系女性下院議員が誕生する見通しが高まった。

プレスリー氏はボストンの市議会議員で、現職のマイケル・カプアーノ下院議員(66)に対し予想外の勝利を挙げた。

11月の中間選挙で共和党は、プレスリー氏の対立候補を擁立しない見通し。

民主党の予備選では進歩派で若いマイノリティの候補が勝利を続けており、プレスリー氏もその流れに加わった。

また今年の民主党予備選では、女性候補も歴史的な数に上っている。

プレスリー氏は勝利演説で、「変化が訪れている。未来は我々全員のものだ」と述べた。

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また同氏はドナルド・トランプ米大統領を「人種差別主義者、女性差別主義者、本当に共感能力のない男」と批判するとともに、自分の選挙区における富の不平等を激しく非難した。グラスリー氏が出馬した第7下院選挙区は、マサチューセッツ州で唯一、非白人が多数派を占める。

対立候補だったカプアーノ氏は、同選挙区の下院議員を20年間務めてきた。1998年の初勝利以降、予備選で対立候補と争ったことがなかった。

同氏は4日、敗北を認め、「明らかにこの選挙区が多くの変化を求めた。しかし、それならそれでいい。人生はそういうものだ」と述べた。

カプアーノ氏とプレスリー氏は両者とも進歩派とみられているが、プレスリー氏はより「活動家」的な指導力を発揮すべきだと訴えてきた。

またプレスリー氏は、急進的と呼ばれがちな対策を支持している。その中には、トランプ大統領による違法移民取り締まりを実行してきた米連邦機関、米移民税関捜査局(ICE)の廃止も含まれる。

ボストン市議になる前、プレスリー氏はジョン・ケリー上院議員やジョセフ・ケネディ2世下院議員の下で働いていた。ジョセフ・ケネディ2世議員のおじに当たるジョン・F・ケネディ元米大統領も、かつてマサチューセッツ州選出の下院議員だった。

プレスリー氏勝利の2カ月前には、ニューヨーク州予備選でアレクサンドリア・オカシオ=コルテス氏(28)が同様に、現職10期の対立候補に勝って当選している。

オカシオ=コルテス氏は4日、ツイッターにプレスリー氏との写真を投稿し、「この写真は数カ月前に撮ったものだ。アヤンナ・プレスリー氏と私はどちらも、『まだ準備ができていない』、『十分な能力がない』、あるいは十分な『経験がない』などと言われ続けながら、選挙を戦って、仲良くなった。私たちは何を言われても進み続けた。6月に私は自分の予備選に勝った。今夜、彼女が自分の予備選に勝った。11月が楽しみ」と書き添えた。

https://twitter.com/Ocasio2018/status/1037170963115397120


同州では他に、ジョー・ケネディ3世下院議員(37)が圧勝したほか、同じく民主党のリチャード・ニール氏(69)も若手の新人をかわして勝利した。

専門家たちは中間選挙について、同州の下院9議席は引き続き民主党が独占すると予想している。

2020年米大統領選の候補者と目されるエリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州選出)には、今回の民主党予備選で対立候補が現れなかった。

ウォーレン議員は11月、4日の共和党予備選で他2候補を下したジェフ・ディール候補と議席を争う。

無党派の選挙記録サイト「バロットペディア」によると、中間選挙で争われる下院選挙区のうち、民主党候補がいない選挙区が3つあるという

共和党は39下院選挙区で候補を立てていない。

<解説>民主党の顔に変化――アンソニー・ザーカーBBC北米担当記者

かつてジョン・F・ケネディ元大統領やティップ・オニール元米下院議長を下院に送り込んだボストンの住民はまもなく、アヤンナ・プレスリー氏を代表とすることになる。4日にプレスリー氏が挙げた予想外の勝利は、民主党の変わりつつある顔を反映している。より若く、より進歩的で、より多様な顔だ。

民主党指導部はこの事態に、わくわくしつつ、恐れるべきだ。新人候補の支持基盤は果てしなく熱心で、それが勝利につながる可能性もある。しかし、新人候補は党を約束の地へ導く政治家ではないかもしれない。

マイケル・カプアーノ氏は選挙戦で不意打ちを食ったわけではない。カプアーノ氏は地元で好かれていたし、有権者の関心を引き、有権者と関わり続けるために時間も金も使った。有権者は単に、今までとは違う人を求めただけだ。

今のところ、このような民主党内の反主流派感情は、民主党の議席減にはつながっていない。そういう意味では、オバマ前政権の時代に草の根のティーパーティー運動が共和党で起こした内乱とは異なる。現職議員が敗れたのは、民主党が安泰の選挙区でだけだ。

しかし、これは現状に満足するなという民主党への警告だ。もし中間選挙で新顔が大勝すれば、支持基盤は具体的な成果を求める。もしかすると、党内闘争は始まったばかりなのかもしれない。

(英語記事 Ayanna Pressley: African-American woman wins Massachusetts primary