このように、がんの多様性を知れば知るほど、全てのがんに効果のあるとうたう健康食品などは間違いということが理解できると思います。そういろいろながんがあるのに薬が一つでいいわけないのです。

 このことを踏まえた上で、今現在ある最適ながん治療との向き合い方はなんでしょうか。最善の方法は医療者との信頼関係の構築、良好なコミュニケーションになります。

 患者さんは、がんの種類とは関係なく、年齢、価値観、社会的状況、経済的状況、いわゆる生き方(宗教など)によって全く異なります。その意味でも、どのように治療を行っていくかは医療従事者と患者さんのコミュニケーションによって成り立ちます。

 今、医療従事者ができることは、エビデンスや医学的アセスメントに基づき、意思決定のためにさまざまな情報を与えることになります。

1・十分な情報提供からの治療選択肢の提示、医学的助言、意思決定の支援(がん治療の緊急性、生命予後などの情報)
2・医療の提供(副作用に対処しながらさまざまな治療法の実施)
3・患者の教育機会の提供(治療における必要事項など)

 正直その医療の質はかなり異なりますし、専門的な部分も多くわかりにくいものです。そして、その情報を患者自身が確認した上でできること、すべきこととして以下の3点が挙げられます。

1・治療への能動的参加(受動的ではがんが治っても寝たきりになってしまう恐れ、リハビリなど)
2・さまざまな自己管理(タバコ、アルコール、リハビリなど)
3・精神的安定を含めての医療者とのコミュニケーションの継続(気軽に話し合える、弱音を出せるなど)

さくらももこさんの
オフィシャルブログに掲載された死去のお知らせ
 これらを踏まえた上で患者の自己決定権に基づき治療法を決め治療を継続していくことがより良いがん医療となります。

 私が最終的に患者さんたちに答えとして言えることは「がんはまだまだわからないことがいっぱいあります。だから今はっきりと証明されている一番いいといわれていることを医療者と一緒に淡々とやっていきましょう。答えは100%ではないかもしれませんが、最大の確率で恩恵が受けられます」です。俗にいう「標準治療」ということになります。

 その上で信頼できる医療者と切磋琢磨(せっさたくま)し、新しい情報をしっかり整理し、自分の価値観で予防法、診断法、治療法などを決めていってください。その「標準治療」で稼いだ時間でまた次のいい治療が受けられるかもしれません。