2018年09月10日 13:13 公開

大坂なおみのテニス全米オープン制覇を受け、日本人選手による初の四大大会優勝に日本が歓喜している。大坂は元世界1位のセリーナ・ウィリアムズを6-2、6-4のストレートで破り、優勝した。

ニューヨークのフラッシングメドウズで行われた決勝戦は、ウィリアムズ(36 )が主審と言い争ったりラケットを壊したりしてたびたびペナルティを科せられるという、荒れた展開となった。一方で、20歳の大坂は試合中は終始落ち着いていた。

しかし優勝後の表彰式になると、ウィリアムズを支持する観客が大会運営側にブーイングを続ける異様な雰囲気の中、大坂は涙を流した。

大坂は、日本人の母とハイチ人の父のもとに日本で生まれ、米国で育った。

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安倍晋三首相はツイッターで大坂をねぎらい、「この困難な時にあって、日本中に、元気と感動をありがとう」と書いた。相次いで合計数十人が死亡した台風21号と北海道胆振東部地震を、明らかに念頭においたツイートだった。

https://twitter.com/AbeShinzo/status/1038569584771489792

日本でテニスは、野球やサッカー、相撲ほど人気は高くない。しかし大坂の優勝を受けて日本の大手メディアは、大坂を「日本が誇れる新たなヒロイン」と描写。読売新聞は、大坂の「コートでの強さと天真爛漫さのギャップが魅力」だと書いた。

本来ならば嬉しい瞬間だったはずが、大坂は敵意に直面した。アーサー・アッシュ・スタジアムには、ブーイングと口笛が響き渡ったのだ。大坂はかぶっていたバイザーのつばを下げて涙を隠した。

https://twitter.com/espn/status/1038565552682414080

すると、ウィリアムズは大坂の肩に腕を回し、「このひとときをできる限り最高のものにしましょう。称えるべき人を称えて、もうブーイングはやめましょう」と訴えた。

大坂は涙ながらに、「みんなが彼女(ウィリアムズ)を応援していたのは知っています。こんな終わり方になってしまって、ごめんなさい」と述べ、「試合を見てくれてありがとう、それだけ言わせてください」と話した。

「全米オープン決勝でセリーナと戦うのがずっと夢だった」と大坂は続け、ウィリアムズに「あなたと試合ができて本当にありがたいです」と伝えてから、観客の拍手に頭を下げた。

大坂は日本と米国の両方の国籍を持つ。日本は伝統的に自分たちのことを単一民族社会とみなしてきたが、その日本でこのところ、国際結婚の両親のもとに生まれ、2つの国を背景にもつスポーツ選手の活躍が相次いでいる。

大坂に加え、陸上短距離のケンブリッジ飛鳥、野球のダルビッシュ有、柔道のベイカー茉秋らが国民のこうした態度を変えるのに一役買っている。

「日本は外国文化の人たちに慣れてきた」と早稲田大学でスポーツ・マーケティングを教える松岡宏高教授は、ロイター通信に話した。

「選手がいい加減な気持ちではなく、自分は日本を代表しているんだと本当にはっきり示せば、国民も選手を応援します」

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