2018年09月10日 14:43 公開

米メディア大手CBSは9日、セクハラ疑惑を受け、レスリー・ムーンベス会長兼社長兼最高経営責任者(CEO、68)が即日辞任すると発表した。

ムーンベス氏をめぐっては、7月に米誌ニューヨーカーがセクハラ疑惑を報道し、CBSが事実関係を調査していた。9日になって、新たに6人の女性が被害を訴えた。

ムーンベス氏は疑惑を否定しており、9日に発覚した件についても「ひどい」と話している。

しかしCBSは、同社とムーンベス氏はセクハラ被害者を支援する「#MeToo」運動に2000万ドル(約22億円)を寄付すると表明している。

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CBSの声明

CBSはプレスリリースで、ムーンベス氏は会長と社長、CEOの職をいずれも即日辞任すると発表した。

社長とCEOの後任にはジョゼフ・イアニエロ最高執行責任者(COO)が就く予定。

英経済紙フィナンシャルタイムズは、ムーンベス氏はこの退任でストックオプションを含む高額の退職手当を得ると報じている。米メディアによると、その額は計1億ドルに上る。

しかしCBSは、セクハラ疑惑について独立調査の結果が出るまで、ムーンベス氏に退職手当を与えない方針を示している。

また、「職場での女性の平等」を推進する団体への寄付は、同氏の退職手当から拠出されるという。

CBSはこれとは別に、6人の取締役が辞任し、新たに6人が選出されたことを明らかにした。

ムーンベス氏は米メディア業界で最も力のある経営者の1人。1995年にエンターテインメント部門のトップとしてCBSに入社し、2006年にCEOに就任した。

同氏は9日に声明を発表し、「何十年も前のことで、事実と異なる。私という人間らしからぬ疑惑が、今になって向けられている」と表明した。

ムーンベス氏の疑惑とは?

新たな疑惑は米誌ニューヨーカーの記事で、ローナン・ファロウ記者が明らかにした。ファロウ氏は7月にムーンベス氏に関する最初の疑惑を報道したほか、ハリウッドの大物プロデューサー、ハービー・ワインスティーン氏の性的加害行為を報じて、優れた報道などに与えられるピュリツァー賞の公益部門している。

最新記事では、6人の女性が1980~2000年代にかけてムーンベス氏にセクハラや性的暴行を加えられたと主張している。

中にはムーンベス氏にオーラルセックスを強要されたり、同意なしで性器を露出された、またこうした行為を拒否したためにキャリアを妨げられたと話す女性もいた。

被害を公表したフィリス・ゴールデン=ゴットリーブさんとジェシカ・パリングストンさんは、ムーンベス氏のセクハラ行為を赤裸々に描写している。

ニューヨーカー誌上でムーンベス氏は、「この記事に書かれたひどい疑惑は真実ではない。記事中の女性3人と約25年前、CBS入社前に同意の上で関係を結んだ、それが真実だ」と話している。

「そして自分の地位を利用して女性のキャリアや昇進を妨げたことは一度もない。40年間働いてきて、これほど不愉快な非難は聞いたことがない」

7月のニューヨーカー記事では、別の女性6人もムーンベス氏を批判し、同氏に言い寄られて拒否したせいでキャリアが阻害されたと思うと全員が話していた。

ムーンベス氏はこの時、過去に「女性を不快にさせたことがあるかもしれない」と話した上で、「それは間違いだった。非常に後悔している。しかしいつでも『ノー』は『ノー』だと理解し、尊重してきた」と述べていた。

(英語記事 CBS chief quits after misconduct claims