スウェーデン王室が、2011年秋から自身の公式Facebookを公開していることも特筆すべき点です。メディアやパパラッチの行き過ぎた行為を防ぐ目的もありますが、王室からの語り掛けに国民が直接反応できる場として、こうしたソーシャルネットワークはとても貴重な働きをしています。今回のヴィクトリア王女の出産も、王室はFacebookを通して随時近況を報告。一日で1万人を越える新規ファンができ、数万の人々が見守りました。

 しかし、新王女誕生で盛り上がる一方、近年は共和主義協会の活動も盛んになり、国民の間でも、王政・王室の人気が下降気味にあるという数値も出ています。

 社会・情報研究調査団体(Forskningsgruppen för Samhälls- och Informationsstudier)が行った調査によると、1996年には国民の70%が王政を支持していたのに対して、2010年には46%に減少。王政に否定的な世論は15%から25%に、王室に否定的な世論は13%から28%に上昇しています。また、共和主義協会によると、今年最初の四半期だけで会員が7962人から9703人に、つまり約22%の増加となりました。

 こうした傾向の背景には、民主主義、平等社会のより一層の確立、そして王室の人権保護といった理由に加え、近年取り沙汰される王子王女の恋愛問題や贅沢な私生活パーティーの報道、そしてシルヴィア王妃の父親がナチス党員だったことの発覚なども挙げられます。

 さらには、2010年11月にカール・グスタフ国王の過去の女性問題やポルノクラブ通いなどを暴露した本が出版。その後、その証拠隠滅のために犯罪組織と取引をしていたことも明らかになりました。

 ここ最近は、カール・グスタフ国王の退位を求めると共に、ヴィクトリア王女に早く王位を継承すべきだという声が強まっています。国民との距離が比較的近い分、オープンな部分が場合によってはバッシングの対象になることもあるのかもしれません。

 2010年6月19日、ヴィクトリア王女は長い交際期間を経てダニエル王子と結婚しました。二人が出会ったのは2001年のこと。慣れない公務や体型をバッシングするメディアに疲労したヴィクトリア王女は1996年頃から食欲不振に悩まされ始め、1997年秋、王室が正式にヴィクトリア王女の拒食症を発表しました。
2010年6月、結婚するスウェーデンのビクトリア王女とダニエル王子の登場を、国旗を持って待つ少女(ゲッティイメージズ)
2010年6月、結婚するスウェーデンのビクトリア王女とダニエル王子の登場を、国旗を持って待つ少女(ゲッティイメージズ)
 その後王女は、治療と安静のためにアメリカに渡り、しばらく公式の場から離れます。2000年にスウェーデンに戻ってきたヴィクトリア王女にジムに通うことを勧めたのが、妹のマデレーヌ王女でした。そして、そこでヴィクトリア王女のパーソナルトレーナーに就いたのが、ダニエル王子だったのです。2002年、二人の交際が公になります。