2018年09月20日 15:37 公開

キャティ・ケイ、BBCワールドニュース、アナウンサー

米連邦最高裁判事に指名され、上院の承認審議の渦中にあるブレット・キャバノー連邦高裁判事に対して、お互いが10代のころに性的暴行を受けたと、大学教授のクリスティーン・ブラゼイ・フォード氏が名乗り出た。キャバノー判事はこれを否定している。つまり、どちらかがうそをついていることになる。しかしそれがどちらなのか、 私たちには分からない。

分かっているのは、次の通りだ。

過去20年間のさまざまな学術研究によると、強姦されたという主張のうち、偽りだったのはわずか2〜10%だ(フォード教授の弁護士は、被害内容は強姦未遂だったと位置づけている)。

2〜10%は多すぎる。しかし全体からすれば、大きな割合ではない。ただし、偽の強姦被害の主張は、注目されがちだ。

女性が学生による集団強姦被害を訴え出たものの、証拠不十分で起訴が取り下げられた2006年の米デューク大学ラクロス・チーム事件は、マスコミにしきりに取り上げられた。2014年に米誌ローリング・ストーンが報じたバージニア大学の集団強姦事件も、注目されたが、捏造(ねつぞう)記事だと断定された。どちらも極めて不当な出来事だった。

しかし、この2つの事例は特殊ケースだ。あらゆる強姦被害の訴えを代表するものではない。

虚偽の強姦告発が原因で、有罪となったり冤罪になったりするのは非常にまれだ。

米ニュースメディアのクオーツに掲載された、サンドラ・ニューマン氏の記事が役に立つ。それによると、英内務省が2000年代初めに行った調査では、虚偽の主張だと分類された216件のうち、逮捕に至ったのはわずか6件だった。

その6件のうち、起訴されたのはわずか2件で、どちらも告訴内容は虚偽だと判明した。

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うその強姦疑惑のせいで多くの男性が刑務所に入れられているというイメージには、事実の裏付けがない。

さらに公式統計によると、虚偽の強姦告訴によって有罪判決を受ける男性の数と比べて、通報または起訴されなかった強姦や性暴力の被害件数の方がはるかに多い。

それどころか、強姦されたという偽りの主張より、通報・起訴されない性暴力被害の方が、圧倒多数だ。紛れもなく。

米司法統計局によると、性暴力全体のうち警察に通報されたのはわずか35%だとみられる。

どういう人が強姦されたとうそをつくのか、分かっていることを検討し、フォード教授がそのパターンに当てはまるかも有意義だ。

サンドラ・ニューマン氏によると、虚偽の主張をする最も一般的なタイプは、何か困った状態から逃れようとする10代少女だという点で、あらゆる学術研究は一致している。

多くの場合、「強姦」未遂を通報するのは少女の親だ。門限に間に合わなかったレベルのばかばかしい理由も、襲われたとうそをつく動機につながると、複数の研究は指摘する。

米国立衛生研究所の2017年報告によると、虚偽の主張をする人の「主な動機は、感情的な利益だ。虚偽の主張はほとんどが、不倫や学校のずる休みなど、自分の別の行動をごまかすため」、うそをつくのだという。

被害に遭ったとうそをつく人の多くには、以前から権力者にうそをついたり、詐欺を行ったを過去がある。前科さえあるかもしれない。

デューク大学のラクロス・チーム事件では、強姦被害を主張したクリスタル・マンガム受刑者は以前にも暴行被害を届け出ていた(容疑者は不起訴)。ラクロス事件の後には別件で重罪の有罪判決を受け、最終的には自分自身が刑務所行きとなった。

クリスティーン・ブラゼイ・フォード教授は明らかに、こうした人物像に当てはまらない。

10代ではない。以前からうそつきだったわけでなければ、犯罪歴もない。知られている限り、何か別の行動をごまかそうとしているわけでもない。

だからといって、フォード教授が真実を話しているという証明にはならない。しかし、「されてもいない性暴力を受けたと女性が主張するのは、よくあることだ」という意見は、疑った方がいい。

よくあることではないので。

(英語記事 The truth about false assault accusations by women