古代史最大の謎がついに解明か──。福岡県の赤村にある丘陵をめぐって、西日本新聞が報じた「『卑弥呼の墓では』巨大な前方後円墳? 謎の丘陵」(3月20日付)という記事が大きな話題を呼んでいる。

〈全長は約450メートル。日本最大の前方後円墳『大山古墳』(堺市)の墳丘長に迫る大きさとあって、古代史ファンからは『卑弥呼の墓では?』といった期待の声も聞かれる〉

 地域住民などによる「豊の国古代史研究会」の調査では、後円部に当たる部分は直径約150メートルで、これは魏志倭人伝にある卑弥呼の墓の直径の記録とほぼ一致するのだという。

 卑弥呼が治めた邪馬台国の所在地については、長く九州か畿内かで論争が続いてきたが、奈良盆地の纏向(まきむく)遺跡と箸墓(はしはか)古墳の調査が進んだことにより、近年は畿内説を有力視する声が強まっていた。しかし、この丘陵は、九州説巻き返しの切り札になる可能性を秘めているという。

「福岡は志賀島で漢の皇帝から送られた金印が見つかるなど、古代の中心地だったことは間違いない。この丘陵がもし前方後円墳だということになれば、再び九州説の可能性が高まることになり、古代史ファンとしては夢のある話です」(歴史研究家の河合敦氏)

 ところが、高まる期待とは裏腹に発掘調査が始まる見通しは立っていない。「豊の国古代史研究会」の一人が事情を打ち明ける。
奈良桜井市・箸墓古墳(最古の前方後円墳)
奈良桜井市・箸墓古墳(最古の前方後円墳)
「発掘には文化庁に届け出た上で厳しい審査が必要とされる。丘陵地の地権者の方で発掘に反対している方もおり、現状としては本格的な調査に取り掛かることができないでいる。たまたま遺物が出てきた、といったことでもあれば調査のきっかけになるのですが……」

 調査には自治体の協力が欠かせないが、赤村役場の文化財担当者は「丘陵は自然の地形で前方後円墳である確証がないため発掘調査の予定は現在ない」と否定的で、調査実施のハードルは高そうだ。

“巨大な謎”のまま封印されてしまうのか。

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