2018年09月24日 15:50 公開

南フランスの海底に人工の岩礁として沈められた数万本の古タイヤが有毒化学物質を漏出し海を汚染していることが分かり、ダイバーが一つ一つ撤去する地道な作業が行なわれている。

ダイバーらは、ボートとクレーンを使って撤去作業に当たっている。作業費用は100万ユーロ(約1億3200万円)をはるかに上回っており、タイヤのミシュランとフランス政府が経費の一部を負担している。

タイヤが沈められた周辺には、魚が寄り付かなくなってしまっていた。

地元漁業組合のデニ・ジェノベーズ氏はAFP通信に対し、折り重なったタイヤの周りを泳ぐ種類の魚もいたが、「本当にタイヤに慣れた種はいない」と語った。

かつては、タイヤを海に沈めることで2つの問題が解決できると見られていた。1つは古タイヤを処分する方法となり、もう一方では海洋生物のすみかになる上、タイヤの上で微生物が成長する刺激にもなると考えられていた。

地元自治体は1980年代、フランス南部コートダジュールに位置するカンヌとアンティーブの間の沖合500メートルの地点に2万5000本のタイヤを沈めることに合意した。

しかし研究者らは2005年、人体に悪影響を及ぼす重金属を含む化学物質がタイヤから自然環境に漏出していることを突き止めた。

2015年には、当局は記者団に対し、タイヤは「完全に不活性」と考えられており、沈められた時にはまったくの無害だったと主張した

また、積み重ねられたタイヤが崩れたりバラバラになったりして、その海域の生物を阻害する可能性があるという問題も記録されている。

最初の2500本は2015年にすでに撤去されており、ここ数週間で1万本、来年さらに1万本以上を撤去する予定だ。

タイヤを使った人工岩礁は、世界中で使われている。

米フロリダ州フォートローダーデールの海底からも、何万本ものタイヤが撤去されている。

スペイン南端に位置する英領ジブラルタルでは1970年代、沈められたタイヤが潮の流れで押し流された。そのため後年、タイヤの代わりに船や自動車、コンクリート・ブロックなどが使用された。

(英語記事 France dismantles toxic car tyre 'reef'