すでに3年前、私は『静かにそして徐々に紙の雑誌の「死」が近づいている』という記事を「Yahoo!ニュース 個人」に寄稿している。この記事では、返品5割が当たり前になった紙の雑誌は、もはや命脈が尽きたということを指摘した。

 100万部雑誌がザラにあった「雑誌の黄金時代」に編集者をしてきた私にとっては、現在の大手男性週刊誌が20万部台に突入したというのは信じられないことだった。

 インターネット時代になり、情報はすべてリアルタイムで送受信されるものになった。月刊、週刊などという雑誌のサイクルは情報空間から消滅した。新聞の日刊ですら成り立たないのだから、紙の雑誌が生き残るわけがない。

 この3年前の時点で、雑誌の販売部数、販売額ともピーク時である1997年の3分の1以下になっていた。この傾向は今も続き、コンビニの雑誌販売コーナーは縮小され、書店数もどんどん減っている。

 雑誌販売のメーンは書店である。その書店は、2018年5月現在1万2026店(アルメディア調べ)で、ピーク時の約2万3000店に比べると半減している。

 最近のニュースから、雑誌崩壊がいよいよ最終段階に入ったと思わせるのが、JRの駅ナカの「キヨスク」などから雑誌がなくなりかけたことだ。これまでキヨスクに雑誌を卸してきた鉄道弘済会が、雑誌事業から撤退することを決めたのだ。その最大の理由は販売不振で、雑誌の売上額は1993年のピークには874億円あったが、直近では10分の1まで激減していた。

 これに慌てた出版業界は、取次大手のトーハンが事業を引き継ぐことで決着したが、大きな問題が残った。それは、駅ナカ向け事業の手数料比率は最大で売上高の10%だということだ。これだと、トーハンは利益が出ない。となると、雑誌を発行している出版社からの支援が必要になる。雑誌によっては売り上げの3割をキヨスクで上げているものもあり、この先どうなるかは不明のままだ。
マンガ雑誌が並ぶ大阪市内のコンビニの店内
マンガ雑誌が並ぶ大阪市内のコンビニの店内
 現在、紙の雑誌が直面している最大の危機は、全国の書店に雑誌を含む出版物を届ける配送業者の経営が危機にひんしていることだ。配送業者の半数が2、3年以内の撤退を考えているといわれ、この状況はますます悪化している。

 紙の出版を支えているのは「書籍」「雑誌」「コミック」の三つである。雑誌の低迷は、残りの二つに比べて群を抜いている。前年比で見ていくと、ここ数年、毎年10%近く落ち込んでいる。