前回の衆院選で、公明党は比例代表でおよそ698万票を稼ぎ出した。これは、280万人よりはるかに多いが、創価学会の会員は選挙のたびに友人知人にアプローチし、公明党への投票依頼を行っている。

 698万を280万で割ると、2・5という数が出てくる。創価学会員は、衆議院議員選挙において1人が2・5票を稼ぎ出しているわけである。

 これを沖縄県に当てはめてみると、創価学会員は4万3500人程度ということになる。これは、沖縄県の人口の3%にあたり、日本全体の平均よりも高い。さらに、沖縄の離島に目を移すと、本土から遠い島であればあるほど、創価学会が深く浸透していることが分かる。

 石垣市では、自民党が4061票であるのに対して、公明党は5171票で、政党の中でもっとも多い。さらに西の竹富町では、481票に対して619票とかなりの差をつけている。与那国町でも278票に対して290票である。

 沖縄本島より東の南大東村になると、なんと91票に対して343票と、公明党が自民党を圧倒している。しかも、全体の得票数が681票だから、公明党は過半数に達している。

 もちろん、南大東島の選挙結果が国政選挙全体に影響を与えるわけではない。だが、公明党の得票数が半数を超える島の存在は、選挙活動に邁進(まいしん)する創価学会員にとっては大いに励みになる。日本全体がこの島のようになれば、公明党は第1党となり、単独で政権を獲得できるのだ。

 池田氏が会員の前に姿を現さなくなってから、すでに8年の歳月が流れた。時折『聖教新聞』などに近影が掲載されるが、そこに笑顔はない。姿を現さなくなるようになる前から、本部幹部会でのスピーチからは迫力がすっかり失われていた。池田氏が、再び会員の前に姿を現し、会員全体を鼓舞することはありそうにない。
中国の王岐山国家副主席(右)と会談を前に握手する創価学会の原田稔会長=2018年9月25日、北京の中南海(共同)
中国の王岐山国家副主席(右)と会談を前に握手する創価学会の原田稔会長=2018年9月25日、北京の中南海(共同)
 現在の原田稔会長も77歳になろうとしている。他の幹部も高齢化が進み、組織の刷新は図られていない。かつては「折伏(しゃくぶく)」によって信者を伸ばしていったものの、現在の新入会員は、会員宅に生まれた乳児ばかりである。

 その中で沖縄の状況は突出している。沖縄は創価学会にとって、最後の「夢の国」なのかもしれない。果たして、公明党はその夢の国に平和をもたらすことができるのだろうか。それは、公明党が自民党との連立を解消しない限り、相当に難しいことであるように思われる。