第二次安倍政権以降、とりわけ昨今の学生には、楽観意識が垣間見えます。それもそのはず、高卒就職率も大卒就職率も98%で、次代を担う若者が将来に希望を持ち始めている。待ち望んでいたことです。

 2013年9月、2020年の東京五輪・パラリンピック開催が決定したとき、ある女性の学生が私にメールを送ってくれました。

 その文面には「私の世代で7年後に希望があるという感覚は初めてです。斜陽の国に育ったから、信じられる明るい未来を描いて生きるのは初めてです。希望がある時代っていいですね」と書いてありました。

 私はこのメールを見て、日本の土台となる若い世代に、たしかに前を向けるようになってもらう、それこそ安倍政権の使命だと感じたのです。

 若い人たちの力がなければ、国全体の機運は盛り上がりません。その認識が、安倍総理には強くあると思います。総理はコマンダー・イン・チーフ(最高指揮官)であると同時に、期せずして若者を応援する「チアリーダー・イン・チーフ」の役割を務めているわけです。

 フィギュアスケートの羽生結弦選手に国民栄誉賞を授賞したのは、「若者を激励したい」と心から思っているからでしょう。
2018年7月、国民栄誉賞の受賞式で安倍晋三首相(右)と談笑する羽生結弦(春名中撮影)
2018年7月、国民栄誉賞の受賞式で安倍晋三首相(右)と談笑する羽生結弦(春名中撮影)
 若者のみならず女性の活躍を政府が推進しているのも、男女のワークライフバランスを改善し、賃金の差別もなくして、若いカップルが子どもを産みやすくなる環境にしたい、という願いがあるからです。

 一にも二にも経済を良くし、「未来は君たちの手で明るくできる」というメッセージを伝え、その後押しをすることが、安倍総理が選び取った役割なのだと思います。

たにぐち・ともひこ 内閣官房参与。1957年、香川県生まれ、東京大学法学部卒業。日本朝鮮研究所(のちの現代コリア研究所)などを経て、84年、『日経ビジネス』誌編集部(日経BP社)に入る。同誌で記者、主任編集委員などを務めるかたわら、米プリンストン大学フルブライト客員研究員などを歴任。2005年、外務省に入省し、14年4月より現職。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科教授。主な著書に、『通貨燃ゆ』(日経ビジネス人文庫)、『明日を拓く現代史』(ウェッジ)など。