2018年10月05日 12:14 公開

米サンフランシスコ市のロンドン・ブリード市長の事務所は3日、日本の大阪市の吉村洋文市長から姉妹都市関係解消を通知する書簡を受け取ったと発表した。像は第2次世界大戦中に日本軍兵士の性奴隷として働くことを強いられた女性を象徴しており、大阪市は設置撤回を求めていた。

大阪の吉村市長は、「慰安婦」像が「両市の信頼関係を破壊」したと述べた。

像は、朝鮮半島と中国とフィリピン出身の若い女性3人が手をつなぎ円を描く様子を描いている。

軍用買春宿では第2次大戦中、約20万人の女性が働かされていたと推計されている。

サンフランシスコ市に建つ像は、「女性の強さの柱」と名づけられている。当初は民間団体が設置したが、昨年11月、サンフランシスコ市が市有化を決めた。

像は戦時中に軍用買春宿で働いた女性を象徴している。国連の報告書によると、女性の中には料理人や清掃員として有給で働く求人に応募した人もいたという

大阪市とサンフランシスコ市の姉妹都市関係は1957年に始まった。サンフランシスコ市との姉妹都市を解消するとの吉村市長の決定は、昨年11月に発表されていたが、同年12月に当時サンフランシスコ市長だったエド・リー氏が急死したことを受けて延期されていた。

リー氏の後任に就いたブリード氏は、同市初の黒人女性市長となった。

吉村市長は姉妹都市解消の決定を、理由を記した10ページの書簡でブリード市長に通知した。書簡によると「問題」の一部は、「不確かで一方的な主張を歴史的事実として記した」碑文だという。

さらに書簡は、「『慰安婦』の数、旧日本軍の関与の度合い、戦時中の被害規模などの歴史的事実については、歴史家の間にも見解の相違がある」と付け加えた。

碑文には「この記念碑は、一九三一年から一九四五年まで日本軍によって性奴隷にされ、『慰安婦』と呼ばれたアジア太平洋地域十三カ国にわたった何十万人の女性と少女の苦しみを表しています」と記されている。

これに対しブリード市長は声明で、関係は「60年以上」緊密に続いており、両市の絆を断ち切るのは不可能だと述べた。

「我々2都市の市民間に存在している関係を、1人の市長が一方的に終わらせることはできない」とブリード市長は書いた。

若い女性の像のそばには4人目の女性像も建っており、記念碑の一部となっている。この年配の女性像は、朝鮮半島が日本の支配下にあった戦時中の自分の経験を初めて公に語った金学順(キム・ハクスン)氏を表している。

ブリード市長は声明に、記念碑は「奴隷化や性目的の人身売買に耐えることを強いられてきた、そして現在も強いられている全ての女性が直面する苦闘の象徴」だとも記した。

「彼女たち犠牲者は尊敬に値するし、この記念碑は我々が絶対に忘れてはいけない出来事と教訓の全てを再認識させる」

(英語記事 Osaka cuts San Francisco ties over 'comfort women' statue