サイバー空間における戦略的競争
(1)サイバー空間を含むあらゆる局面で、米軍が闘い勝利をおさめられるようにしなければならない。
(2)米国の基礎インフラに影響を与える悪意のあるサイバー攻撃を抑止、先制攻撃し、負かす。
(3)国防総省は、米国の同盟諸国・友好諸国と協力し、サイバー能力を強化し、双方向の情報共有を増やして、相互利益を促進する。

米軍の優位を可能にする民間アセットを守る
・国防総省は、国防総省が所有者ではない防衛基礎インフラ(DCI)や防衛産業基盤(DIB)のネットワークやシステムを守る必要がある。厳しいサイバー環境においても国防総省の目的が達成されるようにDCIが継続して機能していることが重要である。

戦略的アプローチ
・我々の戦略的アプローチは、次のことを相互に同時並行的に行うことである。
(1)より強力な統合軍の創設
(2)サイバー空間での戦いと抑止
(3)同盟の強化と新たなパートナー
(4)国防総省の改革
(5)能力向上

・サイバー時代の到来は、国防総省及び米国に、新たな機会と挑戦を生む。情報への開かれた信頼のおけるアクセスは、米国及び同盟諸国の利益に不可欠なものである。我々は、それを断固として守ると言うことを、競争相手国は理解すべきである。「国防総省サイバー戦略2018」は、国防総省に対して、上記の戦略的アプローチで、前に出て防御し、毎日の競争に対処し、戦争に備えることを指示している。
参考:Department of Defense ‘Summery Cyber Strategy 2018’ (September 18, 2018)

 今回の「国防総省サイバー戦略2018」は、中国とロシアを名指しして、サイバー空間での相手の攻撃に対して、積極的に、すなわち防御とともに先制攻撃も含め、対処しようという意思を明確に示したものである。昨年末の国家安全保障戦略及び本年の国家防衛戦略でも、対立する大国として中国とロシアが挙げられていた。
2018年6月、米ホワイトハウスで国家宇宙会議に出席したトランプ大統領(ゲッティ=共同)
2018年6月、米ホワイトハウスで国家宇宙会議に出席したトランプ大統領(ゲッティ=共同)
 中国は、サイバー空間を通じて、米国の重要な軍事情報や民間の技術情報、更には政府高官の個人情報まで盗取している。トランプ大統領は国連安全保障理事会で、最近、中国は米国の中間選挙に介入しようとしていると釘をさした。ロシアは、2016年の米国大統領選挙に介入したとされ、その事が今回の戦略文書にも明記された。

 上記には、同盟国との連携も述べられている。日米同盟のもと、日本もセイバー・セキュリティーを強化する必要がある。米国も指摘しているように、防衛省や公共部門のみならず、民間との連携も欠かせない。そして防御をするには攻撃方法を知らなければ、効果的な防御策は取れない。サイバー空間に国境はない。緊急な課題であることは、日本も同様である。