2018年10月16日 14:53 公開

オーストラリアのスコット・モリソン首相は16日、エルサレムをイスラエルの首都と承認し、在イスラエル豪大使館をテルアビブからエルサレムに移転することを検討していると発表した。

決定すれば、国際的に批判されている最近の米国による政策変更に続くものになる。

イスラエルとパレスチナの紛争についてモリソン首相は、オーストラリアが2国家共存解決への取り組みを続けると述べた。

野党はモリソン氏の発言について、重要な補欠選挙を前にした、票集めの「詐欺的」策略だと批判した。

エルサレムの地位は、イスラエルとパレスチナの紛争で最も激しく争われている論点の1つ。

ドナルド・トランプ米大統領は昨年、長年続いてきた米外交政策を転換し、エルサレムをイスラエルの首都と承認して国際的な批判を浴びた

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モリソン首相は16日、報道陣に「我々は2国家共存解決に取り組んでいるが、率直に言って、うまくいっていない。進展はあまり多くない」と述べた。

同首相は、2国家共存解決の支援とエルサレムの首都承認は可能かもしれないと述べた。ただ、「時期の推測」は不可能だとした。

首相によると、オーストラリアがパレスチナ自治政府の首都を東エルサレム、イスラエルの首都を西エルサレムと承認するのも将来ありうる筋書きの1つという。

「オーストラリアはこの案を可能性として検討すべきだ」とモリソン氏は語った。

ただ同氏はどんな決定も、下す前に内閣や他国と協議すると述べた。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は15日、ツイッターに「今日、スコット・モリソン豪首相と話した。モリソン首相は私に、エルサレムをイスラエルの首都と公式に承認し、豪大使館をエルサレムに移転することを検討していると伝えた。この案について、モリソン氏に強く感謝している。イスラエルと豪州間の関係強化を続けていく!」と投稿した。

https://twitter.com/netanyahu/status/1051915579311960065


モリソン氏の前任者マルコム・ターンブル前首相は、米国に追従する在イスラエル豪大使館のエルサレム移転は有り得ないとしていた。

補欠選挙の問題

モリソン氏は16日、検討はデイブ・シャルマ元駐イスラエル豪大使の意見を指針にしていると述べた。

シャルマ氏は20日に実施予定の補欠選挙で政府与党の候補者になっている。この補欠選挙は、8月に退任に追い込まれたターンブル前首相の下院議員辞職による空席を争うもの。

モリソン政権がシドニーのウェントワース選挙区で議席確保に失敗すれば、与党の下院議席は過半数を割る。ウェントワース選挙区には大規模なユダヤ人コミュニティがあるが、モリソン氏は16日、発言はこのコミュニティからの支持獲得を狙ったものではないと否定した。

ただ、野党労働党の上院リーダー、ペニー・ウォン氏は、モリソン氏が「オーストラリアの外交政策について、危険で詐欺的な言葉遊び」に興じていると指摘した。

ウォン氏は、「(モリソン氏は)票を少しでも多く得られると考えたことはなんでも口にするつもりだ。それがオーストラリアの国益を犠牲にするものでも」と批判した。

(英語記事 Australia considers following US on Jerusalem embassy