では、その理由はどこにあるのか。もちろん、原因は一つに集約できるものではなかろうが、私は、今のテレビ番組の多くが、「中高年層」に向けて作られていることが、大きな影を落としているのではないかと思うのだ。

 先ほどのランキングで、「○○離れ」の2位となった「新聞」を例に挙げてみよう。みなさんの手元にある新聞を開いて、試しに読者投稿欄をごらんいただきたい。驚くほど投稿している年齢層が高いことに気づかれるはずだ。

 50代は若いほうで、60、70代は当たり前、80代以上も決して少なくない。まさにシニア世代が現在の新聞を支えているのである。この傾向は、どの新聞においても大きな差はないはずだ。

 また、先ほど紹介したランキングには直接出てはいないが、「ラジオ」についても同様のことがいえるだろう。リスナーの高年齢化はAM、FMを問わず、現在ラジオ各局が抱える大きな問題となっている。

 さて、本題のテレビに話を戻そう。週間視聴率ランキングが、新聞などで発表されているので、ごらんになられる方もいるだろう。そこに顔を出す番組の多くが長寿番組である。

 そして、それらの番組の主たるターゲットになっている視聴者は、若者ではなく「中高年層」なのである。逆に言えば、若者が普段好んで見ている番組の多くは、そのランキング外にあると表現しても言い過ぎではなかろう。

『週刊新潮』の「食べてはいけない『国産食品』実名リスト」と、
それを批判した『週刊文春』の「本当に食べてはいけないのか?」
 新聞もラジオも、そしてテレビも、顧客として送り手が強く頼りにしているのは、今や確実にシニア層だ。その世代を現在のメディアが大切にしなければならないことはよくわかる。

 今、確実に顧客になってくれる世代に訴求するコンテンツを提供することで、なんとか目立った右肩下がりを食い止めようとしているのだ。例えば「健康○○~」的な番組を毎週欠かさず見ている若者が多くいるとは考えにくい。

 自分の健康に不安を覚えるのは、たいてい私たちのように年を重ねてからだ。そして今、健康番組はテレビにあふれている。週刊誌も「血圧特集」など健康ネタを組むと部数が伸びるという。年を重ねると「他人のスキャンダルより自分の健康」ということかもしれない。