例えばサイト運営者を特定でき得る情報を、そもそも契約の際に取得しない防弾サーバーなどのサービスに対し、情報開示請求は用をなしません。

 私たちは、このような「海外発の最も悪質な海賊版サイトのみ」を対象として、司法判断による透明性を確保したブロッキングを求めており、そのためにも「法制化」の実現について声を上げています。

 なお、今回の「漫画村」運営者特定は、米国の法制度を利用して対応したものでしたが、日本との国交のない国や国際条約に加盟していない国、または法制度・司法制度が未整備の国が利用された場合はどうでしょうか。海外の制度に頼るばかりではなく、日本自らが解決できるための制度を持つ必要があると考えます。その一つがサイトブロッキングです。

 また、一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)が算出した被害額の算定についても、「多すぎる」との批判がありますので、ここで説明しておきます。

 まず、サイトへのアクセス数の根拠となった「Similar Web」のデータが信頼できないといった意見がTFでも提出されましたが、これは英語の誤読などによる事実無根であることが明らかになりました。これまでその点については報道されていませんが、詳しくは第9回会合の資料で公開されています。

 また、もしAnitube、MioMio、漫画村へのアクセス者が正規にコンテンツを購入していれば、CODAが算出した被害額の規模の「市場」が存在したことになります。

 「被害」が確かに存在していることが明らかであっても、それを金額算定することは容易なことではありません。例えば「無料だから見ているのであり、全員が購入するものではない」という意見ももっともですが、実際に購入するであろうユーザーを数値化することは不可能です。私たちは、推定に基づいて何らかの計算を加えることはなく、機械的に算出した数字を出しています。
東京・神田神保町の書泉ブックマート
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 なお、CODAの出した金額は「逸失利益ではない」ことは繰り返し説明してきたこともここに申し添えます。

 通信の秘密に関して、CODAは今まで前例のないことをやるべきとしているのではありません。児童ポルノ対策では既にサイトブロッキングが実行されており、またDDoS攻撃(分散型サービス妨害)の一種であるDNSAmp攻撃対策などでも、通信のあて先の常時確認が行われています。つまりこれからサイトブロッキングが制度化されたとしても、それにより通信のあて先の常時確認が新たに始まるわけではありません。