2018年10月29日 12:35 公開

ドイツ中部ヘッセン州で28日、州議会選挙が行われ、連立与党を形成するキリスト教民主同盟(CDU)と社会民主党(SPD)が共に得票率を大きく落とした。

アンゲラ・メルケル首相率いるCDUは第一党を維持したものの、27.9%と前回選挙の38.3%から10ポイント以上を失い、SPDも30.7%から19.9%に落ち込んだ。

SPDのアンドレア・ナーレス党首は、この結果には連邦政府の芳しくない業績が「大きく」関わっていると指摘し、政府の現状は「受け入れがたい」と記者団に語った。

SPDがヘッセンでこれほど大敗するのは、1946年以来。連邦政府は「機能するためのまともな方法」を見つけなくてはならないと同党首は主張した。

さらに、来年予定されている連立政権の再評価に向け、CDUは「明確で拘束力のある行程表」に合意するべきだとし、「その上で、現政権がSPDに適切な場所かを判断できる」と話した。

CDUとSPDは共に、最近行われた各地の議会選挙で支持を失っており、連立は崩壊目前とされている。

ヘッセン州のフォルカー・ボウフィアー首相(CDU所属)は支持者に対し、「政権内の争いを少なくし、重要な課題にもっと集中してほしいという国民からのメッセージだ」と話した。

第3位には緑の党が19.5%の得票率で浮上。反移民を掲げる極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は12%を獲得し、初めて同州議会入りした。


出口調査での投票結果

  • キリスト教民主同盟(CDU):27.9%(前回:38.3%)
  • 社会民主党(SPD):19.9% (30.7%)
  • 緑の党:19.5%(11.1%)
  • ドイツのための選択肢(AfD):12%
  • 自由民主党(FDP)7.5%(5%)

14日に行われた南部バイエルン州の州議会選挙では、メルケル政権で連立与党を組むキリスト教社会同盟(CSU)が大敗した

2017年の総選挙以降、中道的な大政党から支持者が離れる一方、全国的にAfDや緑の党に支持が集まっている。

12月にCDUの党大会を控える中、メルケル氏が党首再選を果たせない可能性も出てきた。

メルケル首相は先に、もし党首を続けられなくなれば、13年務めている首相職も退くことになるかもしれないと話している。


<解説>メルケル首相に大打撃 ――ジェニー・ヒル、BBCベルリン特派員

アンゲラ・メルケル首相にとって、28日は厳しい夜だった。

金融の中心地フランクフルトを擁するヘッセン州で、CDUは大きく後退した。

地元の政治家が拒絶されたというよりも、不満続出の連立政権への反対票による結果だとみられている。

今回の敗北は、党内でメルケル氏を排除したい層にとっては間違いなく好材料となる。しかし、メルケル首相はもっと切迫した問題に直面するかもしれない。

連立相手のSPDも大敗を喫し、連邦レベルでの支持を失っているのだ。

ヘッセン州でのSPDの不振は、2週間前のバイエルン州での敗北に続くものだ。SPD内では、メルケル氏率いるCDUとの連立がその原因だという声が大きい。SPD幹部は連立を解消し、メルケル首相のぜい弱な政府を崩壊させる決定を下すかもしれない。

ヘッセン州での議会選挙はドイツ国内で「運命の投票」と呼ばれている。今回の結果はいずれ、この国の政府だけでなく指導者の運命をも決めるかもしれない。


(英語記事 Blow for Merkel in German election