SNSにおけるネット炎上は、様々なきっかけで起きる。実にどうでもよい投稿者のプライベートに対するやっかみによって火がつくことも少なくない。そんな中、Twitterからインスタへの「亡命宣言」をしたのが、炎上芸人・ウーマンラッシュアワーの村本大輔。その村本のツイートについたコメントに見る「ネットのコメントの本質」について、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が説く。

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 お笑いコンビ・ウーマンラッシュアワーの村本大輔が10月9日に「リア充達の平和の国Instagramへ亡命してきます。またいつか。」とツイートし、『ウーマン村本がツイッターから「亡命」宣言』などと報じられた(村本は翌日からもツイッターは更新)。

 これの意味は「文字中心のツイッターは荒れるので写真中心で平和なインスタに移る」「民度が高いインスタと民度が低いツイッター」ということだろう。そんな彼が「亡命宣言」をした後と見られるタイミングでインスタについたコメントが、ネットの書き込みの本質を突いている。

〈インスタグラムが平和と勘違いしてる段階でアホさらしてるよね…Facebookもだけどインスタグラムなんて見栄の張り合いだし、Twitterなら通じるネタなんか嘲笑のネタでしかない〉

 村本のことを嫌いだと明言している人物ではあるが、「アホ」はさておきこの意見は正しい。芸能人がツイッターを辞めると宣言する場合、大抵はアンチからの罵倒に疲弊した結果である。ただし、インスタなら安心、というのは恐らく違う。現にこのコメントにしても、「アホ」と書いているだけに、ツイッターに寄せられる罵倒と同様のものだ。インスタだから民度が高いということはなく、女性モデルや芸能人のインスタのコメント欄には怪しげな化粧品やサプリメントの広告的コメントが書き込まれるし、罵倒も書かれる。

 それは、村本を「アホ」扱いした人物が言及したフェイスブック(FB)も同様である。2010年頃に日本でFBの人気が爆発したが、当初「実名制なので荒れない」といった言われ方をしていた。だが、その定説は違う。

 2013年8月、NTTドコモがFBで「家族割」の告知をしたのだが、そこに書き込まれたコメントが「韓国かぶれのドコモはバカだ」「よっ!売国企業」「早く朝鮮携帯の専門店になり、キムチドコモで出直した方がいいよ」などだったのだ。

 無害な告知なのになぜこんな書き込みがあったのかといえば、この頃はドコモがiPhoneを発売する前の時期にあたる。同社はソニーとサムスンのスマホをツートップにすると発表したのだが、韓国企業であるサムスンのスマホが入ってることから怒り出す人が登場した。

 この時、実名であろう人々が前出のようなコメントを書いたのだ。名前をローマ字表記にしたり、写真のアイコンを設定していない人もいたが、「実名が抑止力にならない」ことを示した騒動だった。
※写真はイメージです(ゲッティイメージズ)
※写真はイメージです(ゲッティイメージズ)
 ネット上からネガティブな書き込みをなくすことはできない。人間の心が決して清廉潔白でない以上、そうした邪な心を持っている者が書く文章だってどうしようもないものになるのは当然の話だ。

 村本が一瞬でもインスタを「平和の国」と捉え、ツイッターを「修羅の国」と捉えた気持ちも分かる。だが、一傍観者としては村本はツイッターで好き放題喋り続け、時にはケンカしたり炎上している時の方がイキイキとしているように見えてしまう。インスタでは海外のおしゃれ生活を投稿し続けているが、ツイッターを続けているのは何よりだ。

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