2018年11月05日 10:52 公開

太平洋のフランス領ニューカレドニアで4日、フランスからの独立の是非を問う住民投票が行われ、56.4%対43.6%で否決された。事前予想より接戦となった。

この投票は、激しい独立闘争を終わらせるため、1988年にフランスとニューカレドニアが結んだ合意で定められていたもの。投票率は81%だった。

エマニュエル・マクロン仏大統領は、「フランスの共和国制への自信」を示す結果になったと話した。

「共にこの歴史的な一歩を乗り越えられたことをとても誇りに思っている」

投票は平和的に行われたものの、投票所が閉まった後に暴動が見られた。

地元メディアによると、首都ヌメアでは車や店舗に火が付けられた。また高等弁務官(フランスからの現地代表)事務所によると、抗議者によっていくつかの道路が封鎖されたという。

ニューカレドニアは電子機器の製造に不可欠なニッケルが豊富で、フランスは政治的にも経済的にも、太平洋地域での重要な戦略拠点と位置ている。。

同時に、国連が非植民地化が完了していないと指摘している世界17カ所の「非自治地域」の一つでもある。

ニューカレドニアでは人口26万8000人のうち、39.1%が先住民のカナック人。

27.1%を占める欧州系住民の間ではフランス国家主義が根強いが、今回の投票では一部のカヤック人もフランスの一部に留まることを選んだようだ。

残りの約3分の1の大部分も、独立には反対したとみられている。4日の住民投票の有権者は約17万5000人だった。

フランス政府は毎年、オーストラリアの東側に浮かぶニューカレドニアに13億ユーロ(約1700億円)を拠出している。

マクロン大統領は5月にヌメアを訪れた際、フランスは「ニューカレドニアなしでは輝けないだろう」と話していた。

フランスは1853年にこの地域の領有を宣言し、一時は流刑地として使っていた。

1980年代には、フランス軍とカナック人の間で激しい衝突が繰り返された。

独立派のカナック人がフランス兵4人を殺し23人を人質に洞窟に立てこもった事件では、最終的にカナック人19人と兵士2人が命を落とした。

1988年には独立派と残留派が暴力を止め、独立の是非を問う住民投票を行うことで合意した。

ただ、今回の投票で独立をめぐる動きが終わるわけではなさそうだ。2022年までにあと2回、同様の住民投票が行われる予定。

ニューカレドニアで独立派が多数となれば、1977年のジブチ、1980年のバヌアツが以来のフランスからの独立国誕生となる。

ニューカレドニアは現在、フランス議会に2人の下院議員と2人の上院議員を送り込んでいる。

ニューカレドニアは独自の議会を持ち、治安維持や教育、条例の制定などの権限を握る。また仏大統領や高等弁務官とは別に、政府首席を選出している。

(英語記事 French territory rejects independence