「かりそめにもかつて天下国家を語った口が、どこまで無責任なの」と、皮肉のひとつも言ってやろうとしたけど、立ち上がりざまに腰をトントンと叩かれちゃね。

彼らが通り抜けた後にはペンペン草も生えない

 一方、「学生運動? われわれの世代は、みんなやったんですっ」と気色ばんだのは、結婚相談所から紹介された牛顔の男。

 妻に先立たれた彼は、それまで「われわれまでは年金が保障されていますから、まあ、恵まれてますよ。おかげで貯金もけっこうあるし」と余裕をかましていたのに、「あの頃、大学に行ったのは、ある種の特権階級の家の子でしたよね」と、私がちょいと深掘りしたとたんよ。

「特権階級とは何ですかっ!」と、席を立ち上がらんばかりに怒り出し、「あなたね。言葉には気をつけたほうがいいよ。特権階級の意味、わかってんの?」だって。

「でも昭和23年生まれなら、中卒で働く人は大勢いましたよね。私だって集団就職は見聞きしてますよ」と反論すると、「そんな人、ぼくの周りにはいませんよ」と、プイと横向いて、はい、それまでよ。

 団塊男の特徴を、「新しいことをしているようで頭の中は戦前」と言う人がいる。それを「体裁だけつくろう大嘘つき」と解釈する人もいて、ネットでは「自己中心でわがままで独善的。人の意見には耳を貸さず、彼らが通り抜けた後にはペンペン草も生えない」とさんざんな言われよう。

 そりゃそうだよ。ペンペン草って植物じゃなくて“年金”のことだもん。後に続く世代が恨まないワケがないって。

 そんなこんなで、この年代の男とは、“婚活”のつもりで見合いしても、すぐにドス黒い“後妻業”の算段がカマ首をもたげてしまう私。誰か、止めてよ~。

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