2018年11月09日 13:01 公開

米政府は8日、メキシコと接する米南部の国境から不法に入国した移民は難民資格を申請できないという新ルールを発表した。

マシュー・ウィテカー米司法長官代行とカーステン・ニールセン米国土安全保障長官は8日、共同で「暫定最終規定」として知られる新ルールを発表した

新ルールでは、ドナルド・トランプ大統領が布告する入国制限に違反した全ての移民は難民申請ができなくなるという。

政府は声明で、トランプ大統領は「国益」のため移民受け入れを停止することができると主張した。

米移民国籍法の下、米国の国益に「有害」と判断された場合には、「全外国人の入国を停止し」、「大統領が対象者に対して適切とみなしうるあらゆる制限」をかける力をトランプ大統領は有すると、両長官の共同声明は書いた。

発表に従えば、米国とメキシコ間の国境からの入国を大統領が一時停止あるいは禁止した場合、同国境から米国に不法入国した人は、米国内に入れたとしても難民申請が認められなくなる。

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今月初めに行われた中間選挙で、トランプ氏は移民問題を重要論点として強調した。

中米からメキシコ経由で北上する数千人の「移民キャラバン」を頻繁に攻撃しているトランプ氏は、メキシコ国境に米軍を派遣したほか、この移民たちが米国を「侵略」すると表現した。

共同声明は、「大統領による入国停止や他の難民申請についての制限に違反した外国人の出入りを禁じるため、我々は今日、議会に与えられた権限を行使する」とした。

トランプ大統領は移民の入国制限にまもなく署名するとみられる。新ルールの遡及的な適用はされない。

米自由人権協会(ACLU)は新ルールの発表後すぐ、この措置が「違法」だと断定した。

ACLUは「米国の法律は、通関手続地にいるいないにかかわらず、個人の難民申請を具体的に許可している。政府機関や大統領命令で、この規定を回避するのは違法だ」とツイートした。

https://twitter.com/ACLU/status/1060659198298595328


米国法によって、移民が母国で暴力を受ける恐れがあると主張した場合、その難民申請を検討する法的義務が米政府にはある。

深刻な迫害の恐怖を理由に母国を逃れた者しか、亡命は認められない。この場合、国際法は亡命者を難民として扱う。

たとえ亡命希望者が米国へ不法入国したとしても、今までは、亡命申請の検討を受ける権利は変わらなかった。

トランプ政権は発足当初から移民制限のため、様々な施策を重ねてきた。それに対する政治的反発は強く、政府を訴える訴訟も相次いでいる。

不法滞在する両親と子供が国境上で引き離されていた事態を受けて、トランプ大統領は6月、「家族を一緒にいさせる」ことを約束する大統領令に署名した

米最高裁はこの数日後、トランプ大統領が発表し議論を呼んでいた、イスラム圏5カ国からの入国禁止令を支持すると発表した

入国制限については当初、複数の下級裁判所が違憲と判断していた。

(英語記事 US proposes rule banning asylum for illegal migrants