2018年11月13日 14:21 公開

テリーザ・メイ英首相は12日、英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる交渉が「最終局面に入った」と話した。

シティ・オブ・ロンドン市長主催の晩餐会での演説でメイ首相は、ブレグジット(英国のEU離脱)交渉は「非常に困難を極めている」ものの、両陣営は「一晩中」をかけて協議を進めていると語った。

一方で、「ただ合意すればいいというわけではない」と付け加えている。

メイ首相は13日に閣議で合意案の内容を説明する予定だが、一部閣僚は計画に修正を加えたいと考えているとみられている。

BBCのローラ・クンスバーグ政治編集長は、保守党の一部や内閣には、メイ首相の交渉に対する「大きな不満」があると指摘している。

12日の夜にはリアム・フォックス国際貿易相の事務所に一部の閣僚が集まり、合意なしの離脱やアイルランド国境をめぐる「バックストップ(防御策)」問題について協議した。

メイ氏は2019年3月のEU離脱までに合意をまとめようとしているが、英国内とEU、双方から圧力をかけられている。

両陣営は11月末にEU加盟国首脳による特別会議を開いて離脱合意の調印を目指しているが、時間は足りなくなってきている。

EU側は、アイルランドと英国・北アイルランドの国境問題が解決するめどが立った場合だけ、首脳会議を開くとしている。

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保守党には合意内容に不満を持つ下院議員もおり、議会を通らないだろうと警告している。

特に懸念されているのは、アイルランドとの国境に新たな管理体制を敷かずにどのように運用するかという問題だ。

離脱派の保守党議員が、ブレグジット後も英国がEU法に縛られてしまう可能性を危惧しているのに対し、残留派の保守党員もブレグジットの行方に不安を抱いている。

9日にはジョー・ジョンソン運輸担当閣外相が辞任。ブレグジットについて当初約束されていたことに対して、英政府の実際の提案は「目を見張るほど中身が及ばない」と述べ、新たな国民投票が必要だと訴えた。

「とにかくブレグジットを遂行する」

晩餐会での演説でメイ首相は、「我々の離脱をめぐる交渉は最終局面に入った」と話した。

「一晩中をかけて、離脱交渉で残っている問題を解決できるよう非常に勤勉に任務に当たっている。これはすばらしいことだ」

「英国とEU双方が合意したいと思っているが、交渉は極めて困難だ。それを敬遠はしていない」

メイ首相はさらに、「圧倒的多数の」英国民が政府に対して「とにかくブレグジットを遂行する」よう求めていると語った。

「英国民が国民投票で決めたことについて、私が妥協するつもりがないことを知ってほしい」

「ただ合意すればいいというわけではない」

英首相官邸はこの日、辞任したジョンソン前運輸担当閣外相の後任に、ジェス・ノーマン運輸政務官を指名していることを明らかにした。


<解説>遅延か決断か ――ローラ・クンスバーグ政治編集長

課題は何も変わっていないのに、なぜ英首相官邸は、もっと良い解決策がいきなり出てくると思うのか。閣僚経験者の1人は、「2足す2の答えは突然5になったりしない」と指摘している。

それに加え、交渉方法を変えたいという動きも出ている。これまでに閣僚3人がBBCに対し、メイ首相は自らの案を捨てるべきだと語った。このまま続けても提案は議会を通らず、内閣はみんなで壁に頭を打ち付けるはめになるというのだ。

閣僚の中には、メイ首相は交渉の席から退くべきだとまで言う人もいる。そのうちの1人は、「英国が受け入れられるものとEUが提案しているものには差がある。それが赤裸々な真実だ」と述べている。

「メイ首相は交渉の力学を変えるべきだし、それができるのは首相だけだ。交渉の場から退くというやり方があるかもしれないし、今出しているのが最高で最後の提案だと相手に伝えることかもしれない」

別の閣僚は、「相手を動かすため、メイ首相はもう合意はあり得ないと言い切るべきだ。強硬手段をとるべきだ」と話している。


(英語記事 Brexit talks in the endgame, says May