坂東忠信(外国人犯罪対策講師、作家)

(青林堂『日本版 民間防衛』より)

 国連人口部は「出生あるいは主権を持っている母国を離れて1年以上外国に住む人」を「移民」と定義づけています。また海外では、帰化1世や難民、密入国者、オーバーステイも移民とするのが一般的です。

 日本ではどうかというと、滞在資格が90日を超える中長期滞在者も事実上の移民として数えることができるでしょう。3カ月以上の在留資格を取る人のほとんどが、資格を更新しますので、事実上の移民予備軍となるわけです。

 しかし日本政府では帰化1世の人口統計を取っておらず、密入国者に関する統計もあるわけがなく、移民の実態を正確に把握できているとは言い難い状態です。中長期滞在者だけでも、平成28(2016)年は237万880人でしたが、翌29(2017)年256万9026人と、約7・5%も増えています。

 今まで日本人は、「国民か外国人か」という区別をしてきました。しかし移民が激増した今日では、これが問題を見えにくくしています。帰化した外国人も「国民」として扱うことになるからです。

 日本には、帰化1世の議員が多数いますが、私たちは彼らが移民であることを意識することはあまりないと思います。しかし国籍は日本でも、帰化1世であれば「移民」です。世界ではそのように考え、移民の参政権には制限があるのです。

 「帰化」とは「帰属化」であるところ、国旗の授与も国歌斉唱も国家忠誠の宣言もない日本の帰化は帰属化することのない単なる手続きであって、国家の象徴をないがしろにする真に日本の仲間とは認め難い議員もいるので、「日本国籍を持っているから仲間じゃないの?」というわけにはいかないのです。
2018年11月13日、衆院本会議で出入国管理法改正案の答弁を行う安倍晋三首相(春名中撮影)
2018年11月13日、衆院本会議で出入国管理法改正案の答弁を行う安倍晋三首相(春名中撮影)
 そこで、国連の定義に従うなら、日本の議員の中には「国民議員」と「移民議員」の2種類がいるということになります。そう言われて初めてハッとする方もいるでしょう。

 帰化1世の野党移民議員が現職、元職を含め存在することが確認されている上に、他国では辞職となる二重国籍でも大臣になれるし、現職のままで議席についていますが、果たして彼らは日本の国会議員といえるのか。日本のために働いているのかどうか疑わしい議員もいますがこれでいいのか?

 もちろん、国籍問題にけじめをつけた与党議員のように、日本のために帰化し、国会議員になった議員もいます。一概に移民議員はよくないとは言いませんが、移民も帰化さえすれば国会議員にもなることができるという現行制度は、そろそろ見直す必要があるのではないでしょうか。