2018年11月19日 14:08 公開

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は18日、ドイツで行った演説で仏独の緊密な関係が必要だと訴え、欧州は「世界が混沌に滑り落ちないようにする責任がある」と述べた。

この日はドイツで戦没者などを追悼する国民哀悼の日に当たり、マクロン氏はベルリンで行われた式典に出席。連邦議会での演説で、欧州は「大国のおもちゃになってはならない」と話した。

マクロン氏はさらに、欧州連合(EU)の団結強化と、ユーロ圏の共同予算の設置を求めた。

さらに、ドイツに対しては欧州連合軍の設置について支持を求め、軍の設置によって米国への依存を減らせると主張。インターネット大企業への新たな課税についても言及した。

アンゲラ・メルケル独首相は、マクロン氏の提案の一部にはためらいがちに支持を表明した。しかし、ドイツ国内では物議をかもしたアイデアもあった。

「我々の本当の強さは団結にある」

マクロン大統領は国家主義(ナショナリズム)を掲げる勢力は「記憶力がない」と述べ、不確定な時代において、前進的な勢力が団結する必要があると主張した。

「我々を阻もうとする勢力がたくさんある。公の論争を妨害し、自由主義的な民主社会を攻撃し、対立をあおろうとている。我々はこの世界情勢を非常に深刻に捉えなければならないし、その中では団結こそが我々の力、本物の力となる」

11日にパリで行われた第1次世界大戦終戦100周年の記念式典でも、マクロン氏は国家主義は「愛国心の裏切りだ」と訴えた。米国のドナルド・トランプ大統領はその後、マクロン氏を連続ツイートで攻撃した。

マクロン氏は、団結は「怖い」ものかもしれず、各国に基金への支出と意思決定を迫ることになるかもしれないと認めた上で、「こう着状態が続く方が良いのか?」と問いかけた。

この演説後にマクロン氏はメルケル氏と首相会談を行い、移民や防衛での協力、デジタル企業への課税措置などについて協議した。

仏独は19日にも、限定的なユーロ圏の共同予算設立案について発表する見通しだ。

メルケル氏はマクロン氏に対し、「ドイツとフランスの友情と協力の重要性と、欧州の文脈におけるその役割を印象的な演説で明らかにした」と話した。

「(マクロン氏は演説で、)我々は岐路に立たされていると言った(中略)これは私の見方と同じだ。戦後に生まれた我々には、戦争の教訓に責任を持つ必要がある」

首相職を13年間務めているメルケル氏は10月、今年12月の党首選には出馬しない意向を明らかにした

また、2021年の任期満了を持って首相職を退くとしている。しかし、連立政権や与党・キリスト教民主同盟(CDU)内の抗争によって、これよりも早く退任を迫られる可能性もあるという観測もある。

(英語記事 France's Macron: Europe must unite to prevent 'global chaos'