来年初めに予定されている最初のファンミーティング『NAKAMA to MEETING_vol.1』にもその特徴が顕著である。そのファンミーティングで話題になったのは、「お一人様NAKAMAシート(エリア)」の導入である。これは新しいファンを開拓していく戦略でもあるだろう。

 例えば、筆者が彼らのファンミーティングに行きたくとも、「今まで女子アイドルばかりの現場しか経験していないので大丈夫かな?」と考えたりして、やはり一人だと気後れするかもしれない。そんな気後れを解消する狙いがこの「お一人様NAKAMAシート(エリア)」にはあるようだ。一人で来場した人同士が、自然と交流できるエリア設置になるという。ファンミーティングのイノベーション(技術革新)が期待できる。

 SNSの特徴の一つは、よくも悪くも「本音」が透かしてみえることだ。これはファンの声もあからさまになるということだ。

 だが、ツイッターなどで「#(ハッシュタグ)新しい地図」と検索すれば、新しい地図のNAKAMAたちが、いかに穏やかで温かい人たちが多いか、一読でわかるだろう。別におべっかを書いているわけではない。この連載で、SMAPに関して論じていたときから指摘していたことだ。ちなみに、筆者はまだSMAPの再生を夢見ている。

 このようなSNSを全面的に活用し、新しいファン層までも有機的にリアルの場で結合していく戦略は、日本の男性アイドルの中では既に突出したものになりつつある。国際的な展開でも十分期待できるだろう。

 このような「新しい地図」のSNS戦略は、古巣のジャニーズ事務所のSNS戦略にも影響を与え、重大な転換をもたらしているかもしれない。ユーチューブで「ジャニーズJr.チャンネル」(チャンネル登録者数40万)を開設し、Jr.内ユニット「SixTONES(ストーンズ)」の新曲のミュージックビデオを同チャンネル上で公開したことが、大きな試金石になる。

 日本のアイドルは韓国のアイドルに比較して、SNSの利用に関して格段の後れを取っていた。その原因は、ジャニーズ事務所などが採用している「厳格な著作権」管理にある。まず、SNS上にあるジャニーズ系のアイドルの動画はことごとく削除されてしまい、目にすることなど通常ではなかった。
2018年7月、チャリティーソングの売上金を寄付し、記念撮影する元SMAPの(後列左から)香取慎吾、稲垣吾郎、草彅剛ら
2018年7月、チャリティーソングの売上金を寄付し、記念撮影する元SMAPの(後列左から)香取慎吾、稲垣吾郎、草彅剛ら
 それに対して、韓国のアイドルたちは、テレビの音楽番組もあっという間にユーチューブなどにアップされ、それがファンの手で解説や各国語の字幕とともに世界に伝わっていく。この「緩い著作権」戦略は、日本のアイドルも積極的に採用すべきだと、筆者はことあるごとに指摘してきた。

 おそらく、この「永久凍土」とでもいうべき日本の現状を打ち崩したのが、「新しい地図」のこの1年の活動にあったのだろう。彼らの個性をベースにし、SNSとリアルを結び付けた、ファン=NAKAMAとの活動は、まだ幕が開いたばかりだ。その行方には、おそらくより広い世界のNAKAMAが待っている。まったりとした雰囲気の彼らのSNSに触れながら、その野心的な試みの行方を見守っていきたい。