雨宮紫苑(ドイツ在住フリーライター)

 日本に一時帰国するたびに、働いている外国人を見かける回数が明らかに増えている。

 羽田空港国際線の免税店では、資生堂の販売員も、酒類の販売員も、レジ係も、みんな外国人だった。銀座のアップルショップでも対応してくれたのは外国人販売員。居酒屋やコンビニ、スーパーや回転寿司といった場所でも、言葉のイントネーションや見た目、名前から、外国人と思われる人と日常的に遭遇した。

 外国人労働者数を調べてみると、10年前の2008年は約49万人だったが、17年は約128万人と年々増加しているらしい。外国人を見かけることが多くなったのも、当然といえば当然である。

 しかし不思議なのが、日本で語られるのは主に「外国人労働者」についてであって、「移民」については全くといっていいほど言及されていないことだ。

 国連広報センターによると、「国際(国境を越えた)移民の正式な法的定義はありませんが、多くの専門家は、移住の理由や法的地位に関係なく、本来の居住国を変更した人々を国際移民とみなすことに同意」しているのだそうだ。ちなみに移民の移動の形として、移住労働者や出稼ぎなどを例として含めている。

 つまり、居住地を海外に変更し、変更先に一定期間住んでいれば、現地で仕事をしていようが留学していようが『移民』と認識できるわけだ。

 一方、日本の定義は違う。自民党は「『移民』とは、入国の時点でいわゆる永住権を有する者であり、就労目的の在留資格による受け入れは『移民』には当たらない」としている。
2018年10月の自民党厚労部会がまとめた外国人受け入れに関する決議の内容を法務部会で説明する小泉進次郎部会長。左は長谷川法務部会長(春名中撮影)
2018年10月の自民党厚労部会がまとめた外国人受け入れに関する決議の内容を法務部会で説明する小泉進次郎部会長。左は長谷川法務部会長(春名中撮影)
 しかし、このまま「外国人労働者は移民ではない」と言い張っていいのだろうか。日本が戦後ドイツの歴史をなぞっているように思えて、どうしても危機感を覚えてしまう。