では、8Kテレビには4Kテレビにはない魅力が果たしてあるのだろうか。

 確かにコストパフォーマンス的にはまだ厳しいが、8Kテレビの圧倒的な解像度は、4Kにはない臨場感と没入感があると言い切れる。

 SHV(スーパーハイビジョン)と呼んでいた時代から8Kに力を入れ続けているNHKが渾身の力で撮影したからか、8Kの映像の表現力は圧倒的だ。以前「3Dテレビ」が登場して普及しなかったが、8K映像の場合はまるで“裸眼3D映像”を見ているような立体感が感じられる。テレビの枠の内側にリアルな世界が広がっているような印象すら覚えるのだから不思議だ。

 その臨場感、表現力は60インチでも十分に感じられるが、60インチなら4Kで十分という感じもしてしまう。70インチあたりが8Kテレビを十分に味わえるサイズの下限と考えてもいいのではないだろうか。

4Kコンテンツは拡大してきたが、8Kはコンテンツ不足の問題も

 8Kテレビの場合、コンテンツ不足という課題もある。4Kコンテンツは先述のようにVOD、放送波、ディスク(Ultra HD Blu-ray)と選択肢が増えているが、8Kの場合は12月1日のスタート時点で「NHK BS 8K」の1チャンネルのみとなる。

 NHK BS 8Kは当初10時~22時10分までの放送を予定している。8Kテレビを存分に楽しみたいのであれば、AQUOS 8Kと組み合わせて8K放送を録画できる8K対応USBハードディスク「8R-C80A1」(予想実勢価格13万円前後)も必要になるだろう。このハードディスクには約170時間の8K放送を録画できるので、8Kコンテンツの迫力を存分に味わえるはずだ。
4K、8Kの衛星放送開始まで半年となり開かれたセレモニー=2018年6月1日午後、東京都内のホテル(共同)
4K、8Kの衛星放送開始まで半年となり開かれたセレモニー=2018年6月1日午後、東京都内のホテル(共同)
 とはいえ、今後の課題は多い。現状(12月1日のスタート時点)で楽しめる8KコンテンツはNHK BS 8Kの1チャンネルのみで、今後どのようなロードマップで8Kチャンネルが確保されるのかはまだ詳しく決まっているわけではない。8KコンテンツはフルHDの16倍、4Kに比べても4倍の解像度を持つため、必要な電波帯域(ネット配信の場合は通信帯域)も大きくなる。

 現状では地上波、BS(放送衛星)、CS(通信衛星)ともに帯域がいっぱいになっている。地上波では8K放送どころか、4K放送ですら実施が難しく、それぞれの放送波で帯域の効率化を図りながら新たな4K・8K放送の帯域を生み出そうとしている状況だ。

 4Kテレビはかなり普及してきたが、8Kテレビの普及に向けてはまだかなりのハードルを越えていく必要がありそうだ。

 しかし現状でもコスト面や導入の大変さ(アンテナや分波器などの機器の導入)にさえ目をつぶれば、先述のように8Kテレビには大きな魅力がある。実際にどれだけ違うのか、興味がある方は家電量販店などで実際に比較してみてほしい。

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