2018年12月10日 13:53 公開

米ツイッターのジャック・ドーシー最高経営責任者(CEO)が8日に投稿したミャンマー関連の連続ツイートが、批判を浴びている。ミャンマーでの人権侵害疑惑が国際問題になっているにもかかわらず、ドーシーCEOがミャンマーを観光旅行地として宣伝していると、大勢が反発している。

一連のツイートでドーシー氏は、瞑想(めいそう)修行のため先月ミャンマーを訪れたと明かした。

ドーシー氏は「ミャンマーはとても美しい国だ。人々は喜びにあふれ、食べ物は素晴らしかった。私はヤンゴン、マンダレイ、バガンといった都市を訪れた。国中の多くの僧院を訪れ、瞑想した」と述べ、400万人いるフォロワーに訪問を勧めた。

https://twitter.com/jack/status/1071575147293769728


これに対して、イスラム系少数民族ロヒンギャの窮状をドーシー氏は無視しているとの批判が出た。

2017年夏にロヒンギャの民兵組織が複数の警察施設を攻撃したのを受け、ミャンマー軍は強硬な取り締まりを実施。数千人が殺害された。人権団体によると、軍はロヒンギャの居住地に火をつけたほか、無作為な殺人やレイプに関与したという。

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ツイッター利用者の1人はドーシー氏のツイートに返信する形で、「このような時に、実質的にミャンマーへの観光を宣伝するようなことを無料で書くのは、非難に値する」と書いた。

別の利用者は「この音痴っぷりは……驚きだ」と話した。

「これは極めて無責任な提案だ」と、別の返信ツイートは書いた。「ニュースや、自分自身のプラットフォームにある非難の声を、まったく見ていないのか?」。

ミャンマー軍の取り締まりのため、70万人以上のロヒンギャが国外に脱出した。暴力や家屋の破壊から逃れるため、多くのロヒンギャが隣国バングラデシュに避難している。

国連はミャンマー軍の作戦を「民族浄化の典型例」と表現。ミャンマー当局高官は大量虐殺についての捜査と裁判を受けるべきだとした。

一方でミャンマー軍は何も不正はないと同軍の無実を主張し、国連の非難を否定している。

ロヒンギャ難民を取材してきたカタールメディア・アルジャジーラのモハメド・ジャムジューム特派員は、ドーシー氏のツイートに「全く言葉をなくした」と述べた。

ジャムジューム氏は「私は何十人ものロヒンギャ難民にインタビューしてきた。ロヒンギャ難民は、ミャンマー軍による残虐行為の恐ろしい詳細を話してくれた。ミャンマー西部ラカイン州で大量虐殺が続いていると国連の調査団トップが発言したのは、つい最近の10月だ。ドーシー氏の発言スレッドに、私は全く言葉をなくした」とツイートした。

https://twitter.com/MIJamjoom/status/1071687528049106944


ロヒンギャ危機では、ドーシー氏が率いるツイッターを含め、ソーシャルメディア・プラットフォームが暴力拡大の一端を担っているとの指摘も出ている。

ミャンマーにおいて「インターネットの外での暴力扇動」にフェイスブックが利用されるのを、同社は防げなかったという報告書の内容を、米フェイスブックは先月認めている。

「ソーシャルメディアは大量虐殺を増幅している。一方、ジャック・ドーシーは自分が経験した素晴らしい沈黙の修行について、誇らしくツイートしている」と書くツイッター利用者もいた。

別の利用者はドーシー氏に対し、「あなたがミャンマーで瞑想している間、その国(の政府)や支持者があなたのプラットフォームを利用するのをやめさせるにはどうしたらいいか、何か新しい発見はありましたか?」と書いた。

米紙ニューヨーク・タイムズのリアム・スタック記者は、「昨年、大量虐殺に関与した国にツイッターのCEOが休暇で行った。その大量虐殺は、政府がソーシャルメディアで拡散した誤情報と憎悪によりあおられたものだ」とツイートした。

https://twitter.com/liamstack/status/1071629824630947841


ドーシー氏は批判に返答していない。ただしドーシー氏はかつて、自分への返信は見ていると述べている。

(英語記事 Twitter CEO Jack Dorsey criticised for 'tone deaf' Myanmar tweets