2018年12月12日 12:50 公開

ドナルド・トランプ米大統領は11日、ホワイトハウスで記者団を前に、国境の壁建設費と連邦政府予算をめぐり、民主党幹部と口論した。

民主党のナンシー・ペロシ下院院内総務とチャック・シューマー上院院内総務と共に大統領執務室で記者団を前にしたトランプ氏は、国境警備を理由に連邦政府を閉鎖することになれば、それは「誇りに思う」と述べた。

連邦議会は今月7日に失効予定だった連邦政府予算のつなぎ予算案を前日可決し、トランプ氏もこれに署名したものの、このつなぎ予算も今月21日に失効する。連邦議会がそれまでに追加予算案をまとめようとする中、トランプ氏は議会がメキシコ国境の壁建設費予算として50億ドルを認めなければ、連邦政府機関が予算切れで閉鎖することになってもかまわないと警告している。

これに対してペロシ、シューマー両議員は、来年9月30日まで国土安全保障省予算を現在の13億ドル水準で維持することに同意した。

「自分が政府を閉める」

トランプ氏は当初、民主党幹部2人を大統領執務室に迎え入れる際、「素晴らしい栄誉だ」と歓迎した。11月の中間選挙で民主党が下院を奪還して以来、トランプ氏と両議員が会談するのは初めて。

しかし、連邦予算について民主党の2人が、21日の期限切れを前に追加予算案を成立させるため、現在は共和党が両院を支配する連邦議会は法案を通せるはずだと主張すると、大統領はこれに強く反論し、強い調子でのやりとりが続いた。

トランプ氏は、メキシコ国境の壁建設費追加を議会が認めない限り、連邦政府の追加予算は認めないと主張。「欲しい物が手に入らないなら、やり方はともかく、そちらを通じてだろうが軍を使ってだろうが、何と呼んでも構わないが、政府を閉鎖する」と主張した。さらに、「国境警備のために政府を閉鎖するなら、誇りに思う。自分がその役を果たす。自分が政府を閉める」と強調した。

トランプ氏は下院では票数が足りるが上院では足りないと繰り返したが、これに対してペロシ下院院内総務は共和党多数の現在の下院でさえ、トランプ氏は必要な票数を得ていないと指摘した。

「大統領のかんしゃく

この会談後にホワイトハウスは公式声明を発表し、民主党が「政府を開けておくより国境を開けておきたい」のだと態度を明示したと批判した。

一方で、民主党のシューマー上院院内総務はトランプ氏が「かんしゃく」を起こしたと非難した。

中間選挙で当選した議員たちが着任する来年1月から、下院議長になる見通しのペロシ下院院内総務は、民主党議員団を前に会談中のトランプ氏の態度を嘲笑した。

消息筋が米メディアに伝えたところによると、ペロシ氏は議員たちに自分は「お母さん役をやろうとした」ものの、「スカンク相手におしっこ飛ばし合戦をやろうものなら、自分がおしっこまみれになってしまう」のは言うまでもないと話したという。

さらに米報道によるとペロシ院内総務は、トランプ氏が壁建設にこだわるのは「男らしいかどうか」の問題なのだと民主党議員たちに話した。

会談前にトランプ氏は、「壁の残りの部分は軍が建設する」とツイートしていた。

しかしこれについて国防総省は、「現時点で軍が壁の一部を建設する計画はない」と表明した。

連邦議会が連邦政府予算について合意できなければ、国土安全保障省、司法省、内務省、農務省の予算が21日で切れることになる。国防総省を含めた政府機関は2019年度予算を確保している。

連邦政府が予算切れで閉鎖されれば、対象となる省庁の職員数十万人が自宅待機を余儀なくされる。

(英語記事 Trump bickers with top Democrats over border wall funding