木曽崇(国際カジノ研究所所長)

 11月23日、パリで開かれた博覧会国際事務局(BIE)の総会において、2025年国際博覧会(万博)の開催地が大阪に決定した。日本とロシア(エカテリンブルク)、アゼルバイジャン(バクー)の3候補で争われた1回目の投票で、日本への支持が既にBIE参加国の過半数に達した。

 引き続き行われたロシアとの決選投票では、第1回投票からさらに支持を積み増し、全体の6割以上の支持を得ることに成功した。事前報道では「かなり苦戦するのではないか」という声もあったが、フタを開けてみれば「横綱相撲」と表現してもよい投票結果であったといえる。

 だが、2025年の万博開催を勝ち取り、歓喜に沸くわが国において、既にその先の現実的な対応に頭を悩ませている人たちがいる。それが、日本国内外のカジノ業界関係者だ。

 わが国では2018年7月の統合型リゾート施設(IR)整備法の成立によって、カジノを中核とした複合観光施設、IRの導入が決定している。実は、今回決定した大阪万博の開催は、IR導入とセットの企画として起案されたものであるからだ。

 万博のメイン会場となるのは、大阪市の最西端に位置する人工島、夢洲(ゆめしま)だ。そもそも夢洲は08年の大阪五輪誘致を目指して埋め立てられた人工島であった。

 その後、北京との招致レースに敗退したことによって不良資産化し、長らく大阪府・市政の「負の遺産」とされてきた。その夢洲において、起死回生の再開発プランとして持ち上がったのが、万博とIRの誘致計画であった。
2018年11月、2025年万博の大阪開催が決まり、道頓堀でくす玉を割って祝う人たち
2018年11月、2025年万博の大阪開催が決まり、道頓堀でくす玉を割って祝う人たち
 夢洲は390ヘクタールという広大な埋め立て地であるが、現在コンテナターミナルや太陽光発電などで利用されている用地を除いた部分のうち、約170ヘクタールあまりが大阪にとって当面の新しい開発対象となる。このうち、今回誘致に成功した万博の開催用地として使用されるのが100ヘクタールあまりで、残りの70ヘクタールが大阪IR開発の当面の候補地となっている。