清水英斗(サッカーライター)

 レギュラーシーズンが終わったJリーグでは、移籍の動きが騒がしくなっている。その中でも桁外れのスケールを見せているのが「バルサ化」を標榜(ひょうぼう)するJ1ヴィッセル神戸だ。

 元スペイン代表&元バルセロナ。米国のメジャーリーグサッカー(MLS)でプレーしていたFWダヴィド・ビジャの神戸加入が発表された。37歳と年齢を重ねたストライカーではあるが、ニューヨーク・シティでは4シーズンで124試合出場80ゴール。今シーズンも26試合出場15ゴールと、数字から衰えは感じられない。神戸は計算の立つ点取り屋を獲った。

 ともすれば、このビジャも序章にすぎないのかもしれない。続くビッグネームは、イングランド・プレミアリーグ、チェルシーのFWセスク・ファブレガス、独ブンデスリーガ、バイエルン・ミュンヘンからの退団が発表されたFWアリエン・ロッベンなど、枚挙にいとまがない。今後も次々と挙がりそうだ。

 同じく元バルセロナのDFアドリアーノも、トルコのベジクタシュからの移籍が濃厚になっている。左サイドを主戦場としつつも、左右のサイドバックとウイングなど、異なるポジションをこなす元バルサ戦士。存在感は地味かもしれないが、実は来季、かなり効いてくる補強になる気配はある。

 これらの動きの背景には、Jリーグが来季から外国人選手の出場枠を3から5に増やす改定があった。現状はMFアンドレス・イニエスタ、FWルーカス・ポドルスキ、FWウェリントンと、さらにアジア連盟加盟の外国選手を追加できるアジア枠のGK金承奎(キム・スンギュ)で埋まっているが、その枠自体が増えるわけだ。

 さらに、この増える枠を、今から整理する動きも神戸には見られる。来季改定ではアジア枠が消滅するため、韓国などアジアの選手も、一般の外国人選手と同じ扱いになる。
2018年12月、J1神戸の入団会見で記者の質問に答える元スペイン代表FWダビド・ビジャ=ノエビアスタジアム神戸(撮影・甘利慈)
2018年12月、J1神戸の入団会見で記者の質問に答える元スペイン代表FWダビド・ビジャ=ノエビアスタジアム神戸(撮影・甘利慈)
 今シーズン、多くの試合で神戸のピンチを救った韓国代表GK金承奎はJリーグ屈指の実力を持つ選手だが、終盤は出場機会を失った。終盤4試合では、前川黛也(だいや)がスタメンを勝ち取っている。神戸は金承奎の放出で1枠を空け、さらなる補強を狙うのではないか。

 ウェリントンを放出した場合、外国人枠はイニエスタ、ポドルスキ、ビジャ、アドリアーノで、さらにもう1人獲得できる。セスクは既に難色を示しているが、その1枠がロッベンに充てられるのか、果たして。