2018年12月17日 12:24 公開

北朝鮮は16日、アメリカによる制裁強化について「朝鮮半島の非核化への道を永久に閉ざす」可能性があると非難した。

米政府は複数の人権侵害報告を受け、北朝鮮の高官3人に対する追加制裁を決定した。

今年6月にシンガポールで行われた米朝首脳会談では、両国の関係改善の道筋が開かれたようだったが、それ以降、北朝鮮は怒りの応酬と緊張を緩和する動きの両方をとっている。

2度目の首脳会談の可能性も示唆されている。ドナルド・トランプ米大統領は会談に前向きな姿勢を示す一方、今週に入り、会談を急ぐ必要はないと発言した。

北朝鮮の主張は?

北朝鮮政府は声明で、アメリカの制裁強化に対して「衝撃と憤り」を明らかにした。

北朝鮮の国営・朝鮮中央通信(KCNA)が発表した声明は、米国務省が米朝関係を「激しく対立した昨年のような関係に戻してしまった」と非難した。

トランプ大統領は昨年、北朝鮮の最高指導者、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を「小さなロケットマン」と呼び、核の脅しには世界が見たこともない「炎と激怒」で対応すると挑発。一方、北朝鮮側はトランプ氏を「狂った老いぼれ」と呼んだ

最新の声明で北朝鮮は、米国の「最大限の圧力」政策は「最大の計算違い」であり、シンガポール米朝首脳会談で期待された信頼構築に立ち返るべきだと指摘した。

新たな制裁とは?

今回の制裁は、米国務省が連邦議会に対し定期的に行っている北朝鮮報告を受けて決まった。

米政府は金委員長の右腕である崔竜海(チェ・リョンヘ)党副委員長と鄭敬沢(チョン・ギョンテク)国家保衛相、朴光浩(パク・クァンホ)党副委員長の3人の米国内資産を凍結すると発表した。

国務省のロバート・パラディノ報道官は、「北朝鮮における人権侵害は超法規的な殺人や強制労働、拷問、長期的な任意拘束、強姦、強制中絶やその他の性的暴力など、世界でも最悪の部類に入る」と指摘している。

米朝首脳会談後の動き

6月の首脳会談でトランプ氏と金氏は朝鮮半島の非核化に向けて働きかけることに合意した。しかしこの合意には行程表や非核化の詳細、承認プロセスなどは盛り込まれていなかった。

この首脳会談以降、いくつかの外交的な成功があったが、もっとも進展したの朝鮮半島内の関係だ。

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北朝鮮と韓国の両軍は先週、国家が分断されて以降で初めて友好的な互いの国境を越え、国境線上の非武装地帯(DMZ)の検問所撤去を行った。

一方、米朝関係は6月以降、停滞している。

11月に予定されていたマイク・ポンペオ米国務長官と北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長の会談は取りやめられ、新たな日取りも決まっていない。

両首脳の関係性は中々予想できないものとはいえ、両国の関係性には影響を及ぼしていないようだ。

トランプ大統領は9月、金委員長から2度目の首脳会談開催について「とても温かい」手紙を受け取ったと話した。

しかし、BBCのローラ・ビッカー・ソウル特派員は、北朝鮮には核兵器という越えられない障壁が残っていると指摘する。

米政府は、北朝鮮が核の脅威を振りかざしているうちは朝鮮戦争の終結に決して合意しないし、北朝鮮への経済制裁も解除しないという姿勢を固持している。

(英語記事 North Korea condemns latest US sanctions