2018年12月18日 11:49 公開

米CBSは17日、性的問題行動疑惑で辞任したレスリー・ムーンヴェス元会長兼社長兼最高経営責任者(CEO)に対して、退職金1億2000万ドル(約136億円)を支払わないことにしたと発表した。

ムーンヴェス元会長については今年8月に米誌ニューヨーカーがセクハラ疑惑を報道し、CBSが事実関係を調査していた。9月初めに新たに6人の女性が性的嫌がらせや暴行の被害を訴え、ムーンヴェス氏は辞任した。同氏はニューヨーカーの報道内容を否定していた。

CBSは今回、ムーンヴェス氏による「意図的かつ具体的な職権乱用」を含め、同氏解雇の「事由」が発覚したと説明。疑惑内容に対する調査にも、同氏が全面的に協力しなかったと明らかにした。

CBSはさらに、同氏が会社方針を破り雇用契約に違反したため、その結果として退職金を支払わないと発表した。

勤続23年のムーンヴェス氏が今年9月に辞任した際、CBSは調査結果次第では退職金1億2000万ドルを支払う可能性を示していた。

「プロらしからぬ行動」

映画「グッドフェローズ」や「ケープ・フィアー」などに出演した俳優で作家のイレアナ・ダグラス氏は、ムーンヴェス氏に性的暴行されたと早い段階で名乗り出た。

8月のニューヨーカー記事でダグラス氏は、「私が受けたのは性的暴行で、参加しなかったからとクビになった」と発言していた。

世界的なセクハラ被害者の支援運動「MeToo運動」のきっかけになった数々の記事を発表してきたローナン・ファロウ記者はこの記事で、CBSにはハラスメント(嫌がらせ)文化があると書いた。

複数の外部法律事務所による調査の結果、CBSは「ハラスメントと報復の行動がCBS全体に広まっているとは言えない」と発表した。

「しかし、調査の結果、過去に不適切で職業人らしからぬ行動が複数あったことが判明した。このため調査担当者たちは、ハラスメントと報復の防止が組織として大事だという価値観が、この会社の方針や慣習や組織構造にこれまで反映されてこなかったと結論した」

CBSはさらに、「この会社や人事部が、社内有力者に問題行動の責任をとらせることなく、従業員を報復から守らなかった事例が複数あると、複数の従業員から報告があった」と認めた。

その上で同社は、「全ての従業員にとって職場環境を改善するため精力的に」対策を取り始めたと説明した。

(英語記事 Former CBS boss Leslie Moonves denied $120m exit pay