馬淵澄夫(前衆院議員)

 10月15日の臨時閣議決定を受けて、マスコミは一斉に、政府が来年10月に消費税を現在の8%から10%に引き上げることを正式に決定した、と報じた。

 しかし、閣議で決定された安倍晋三首相の発言は、引き上げについては「予定」とし、加えて「あらゆる施策を総動員し、経済に影響を及ぼさないよう、全力で対応」するというものであった。私から見れば、臨時閣議の主たる決定は影響緩和策の検討指示だということである。

 その際に、方策として次の四つの方針を示している。

1)増収分の半分を国民への還元として教育の無償化に充てること。
2)軽減税率導入で、家計消費の4分の1を占める飲食料品は増税せずに据え置く準備を進めること。
3)中小小売業に対し、ポイント還元などによる支援を行うこと。
4)大型耐久消費財である自動車・住宅購入に関しては措置を講じること。


 取り立てて新味のあるものではないが、その後の報道を見ると、カード利用者に限定されるポイント還元の是非など、影響緩和策のテクニカルな課題ばかりが取り上げられている感がある。

 これらの緩和策や、その後の予算措置を考えても、結局は、こうした増税による経済への影響緩和策がそもそも「誰が軽減措置の対象になるのか」「軽減措置が一時的か、継続的なものか」という二つの根本的議論が行われずに、「増税に伴う影響緩和対策」が論じられているところに、いまもって消費税が公平な税であり、未来への責任を果たす税として「神話化」された事実がある。私は、ここにこそ警鐘を鳴らしたいというのが、最も強い思いでもある。
馬淵澄夫元国交相
馬淵澄夫元国交相
 まずは、二つの観点からの第1から第4の影響緩和策を見てみよう。

1)教育無償化は、比較的若手支援になる。今のところ措置は恒久的。
2)軽減税率については、購買力が大きい人ほど、軽減措置の対象になる。措置は恒久的。
3)キャッシュレスポイントについても、購買力が大きい人、また、キャッシュレスの環境にアクセスできる人が対象になる。また、措置は9カ月間に限られる。
4)住宅購入、自動車購入の補助についても、一定の年収がある人が対象になる。期間はそれぞれ3年間と恒久的と分かれた。