2018年12月20日 11:54 公開

米中央銀行の連邦準備理事会(FRB)は19日、政策金利を0.25ポイント引き上げ、「年2.25~2.5%」にすると発表した。ドナルド・トランプ大統領はかねてから利上げに反対しているが、これを無視した格好だ。

一方で、世界的な経済成長への懸念を受け、今後の利上げペースを緩和する可能性があるとしている。

トランプ大統領は18日、FRBが「また新たな間違い」を犯して利上げすべきではないと警告し、代わりに「市場を感じる」べきだと話していた。

また、金融危機後に導入した数十億ドル規模の経済刺激策を停止しないよう求めていた。

トランプ氏は、FRBが市場不安定化の原因になっていると繰り返し批判し、関税引き上げなどを理由に挙げるアナリストの指摘を否定している。

アメリカの大統領は通常、中央銀行の政治化を防ぐために表立ってFRBを批判することを避ける傾向にあるが、トランプ氏これまで繰り返し、FRBに圧力を掛けている。

利上げ発表の前、トランプ大統領はツイッターで、「FRBの連中がまたしても間違いを犯す前に、きょうのウォール・ストリート・ジャーナルを読んでもらいたい。それからこれ以上、市場を流動化させてはいけない。無意味な数字に惑わされず、市場を感じろ。グッドラック!」とFRBをけん制した。

https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1075001077576151041

19日に開かれた記者会見でFRBのジェローム・パウエル議長は中銀の独立性を擁護し、政治的な圧力は政策金利をめぐる議論や決定に「全く影響しない」と話した。

また、現在進めている国債および不動産担保証券のポートフォリオ縮小の方針を変える予定はないと付け加えた。

来年は利上げペースを減速

FRBは金融危機時、経済活動促進に向け超低金利を設定したが、2015年以降、政策金利を徐々に引き上げている。

19日の利上げは大方の予想通りで、2015年の最初の利上げから9回目。

しかしこれにより、住宅など一部の産業では借り入れコストが拡大し、景気の減速につながっている。

経済成長の減速も見通されている中、これ以上の利上げは経済活動を停滞させる危険性があると指摘する声もある。

FRBがこの日発表した経済予測では、アメリカの2019年の国内総生産(GDP)成長率は2.3%と、9月次点での2.5%から下方修正された。

また、アメリカの金融市場の落ち込みや国内外の経済成長の減速への懸念を受け、利上げの想定ペースも来年は2回と、前回予想の3回から減る見込みとなった。

しかしパウエル議長は、見通しを下方修正した「逆流」にも関わらず、今年は3%成長すると予測されているアメリカ経済の力強さが、さらなる利上げを正当化したと話した。

「我々はこの利上げが、極めて健全な経済にとって適切だったと思っている。現時点での金利政策は協調的である必要はない」

FRBは公式発表で、政策金利の引き上げはアメリカ経済の拡大を継続させ、低い失業率を維持し、インフレ率を2%に保つのを助けると説明した。

市場の反応は?

利上げ発表後、株価は反落し、ダウ工業株平均とS&P500は1.5%、ナスダック市場の総合指数は2%超、下げた。

FRBが今後、利上げペースを落としていくというより強いサインを投資家は求めていたかもしれないと、アナリストは分析する。

格付け会社フィッチ・レーティングスのチーフエコノミスト、ブライアン・コールトン氏は、「株式市場の落ち込みとFRBの発表にあった国際経済の否定的なニュースを見るに、FRBはアメリカ経済があと数回の利上げに耐えられると、かなり確信していることが伺える」と指摘した。

(英語記事 Fed raises rates in defiance of Trump