2018年12月21日 12:25 公開

日本の複数メディアは20日、日本政府が商業捕鯨を再開するため国際捕鯨委員会(IWC)を脱退する方針を固めたと報じた。

NHKによると、日本政府は方針を自民党の関係議員に伝えた。脱退について政府の公式発表はされていない。

一部の鯨種が絶滅の危機に瀕したことを受けて、商業捕鯨は1986年、IWCによって禁止された。

日本は長年にわたり、クジラを捕獲し続けてきた。政府は「科学調査」のためとしているが、クジラ肉も一部販売されている。多くの自然保護主義者は、日本の調査捕鯨を批判してきた。

日本政府は脱退の理由として、一部の鯨種が生息数を回復していることを挙げると予測される。しかし、捕鯨活動は日本領海に限定する方向で検討しているもよう。

日本政府の当局者は、クジラ肉を食べるのは日本文化の一部だと話している。

日本では海岸地域の住民の多くが捕鯨を数世紀続けてきた。しかし、クジラ肉の消費が急増したのは、クジラが食肉の主要供給源となった第2次世界大戦終結後だけで、最近数十年間では消費量が急減している。

反応は

野生動物保護団体はこれまでにもIWC脱退の計画を批判してきた

脱退方針が固められたと日本メディアは広く伝えているが、公式発表はまだない。

水産庁の諸貫秀樹氏はBBCに対し、あらゆる可能な選択肢を日本政府は検討しているが、「決定は下されていない」と話した。

匿名の政府関係者の話として、共同通信は来週にも公式表明がある可能性を伝えた

日本政府は9月、商業捕鯨のための捕獲枠設定をIWCで提案したが、提案は否決された

捕鯨禁止の現状は

クジラの生息数回復のため、IWC加盟国は1986年、商業捕鯨の一時停止(商業捕鯨モラトリアム)を決定した。

捕鯨支持国はこのモラトリアムを、持続可能な捕獲枠について各国が合意するまでの一時的な措置と受け止めていた。

しかし、モラトリアムはその後、ほぼ恒久的な禁止措置になった。一方で日本やノルウェー、アイスランドなどの捕鯨国は、捕鯨の慣行は自国文化の一部で、持続可能な方法で続けられるべきだと主張している。

現在、クジラの生息数は慎重に監視されている。多くの鯨種が依然として絶滅の危機に瀕しているが、日本が主に捕獲するミンククジラなど、絶滅の恐れがない種もある。

日本のIWC脱退は無条件で可能なのか

もし日本がIWC脱退を目指すなら、年末までに通知しなくてはならない。その場合、2019年6月30日に脱退が可能になる。

それでも日本は脱退後も、いくつかの国際法による制約を受ける。

国連海洋法条約は締結国に対し、クジラの保護に関する協力を「その保存、管理及び研究のために適当な国際機関を通じて」行うよう義務付けている。条文は具体的にどの国際機関を指すのかは示していない。

日本政府は、別の国際機関設立を試みる可能性がある。その場合、十分な数の加盟国を得ることが条件になる。もしくは、すでにある海洋資源管理の国際機関、北大西洋海産哺乳動物委員会(NAMMCO)に加盟する選択肢もある。

NAMMCOはIWCの小規模版のような、捕鯨支持国の集団だ。IWCにいら立ちを募らせたノルウェー、アイスランド、グリーンランド、フェロー諸島が発足させた。

そもそも日本は捕鯨を止めていないのでは

その通り。日本は過去30年間、捕鯨を続けている。ただし、IWCによる禁止措置の例外として許可された科学研究計画としての活動だ。

これについては、事実上の商業捕鯨を偽装した慣行だとの批判もある。

IWCが日本の調査捕鯨を例外としたことで、クジラは科学研究目的で捕獲可能になり、その後、消費用のクジラ肉販売も可能になった。

日本は毎年、約200頭から1200頭のクジラを捕獲してきた。どの鯨種が絶滅の危機にあり、どの種はそうでないのか、生息数を調査するのが目的と日本政府は主張している。

IWCはなぜ合意できなかったのか

商業捕鯨モラトリアムの撤回と、持続可能な捕獲枠に関する合意の維持を、日本政府は繰り返し試みてきた。

直近では、今年9月にブラジルで行われたIWC総会でも同様の提案をした。

日本は「持続的捕鯨委員会」の設立と「資源が豊富な鯨類資源/鯨種の」持続的な捕獲枠の設定などの対策を一括提案した

提案は加盟国の投票で否決された。

そのため日本はもはやIWCの規則に制約されないよう、IWCを脱退するつもりではないかと、これまで取りざたされていた。

(英語記事 Japan 'to leave whaling commission to resume hunting'